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(2009年4月6日発刊)NO.100
「人を育てるには競争でなく、心を育てることが最も大切」
 「競争は人を育てない」以前の「ひとりごと」で、フィンランドの初等教育では、競争では人は育たないとの考えから、成績によって順位を付けないなど書きました。岡山県中小企業家同友会の主催する同友会大学で、3月16日に元神戸大学の教授・現在は大阪千代田短期大学の学長 広木克行先生の話を聞いて感銘を受けたので、再び紹介させて頂きます。
「昨年6月8日にあった秋葉原での無差別殺傷事件の犯人は“相手はだれでもよかった“と多くの人が刺されている。犯人の男性は、小学校の時には、親の書いた文章で賞をもらったことがあり、中学ではトップクラスになるが、高校ではダメになる。本を一冊買うにも母親の許可がいったなど本人は常に親に支配されていたという。人間として人格を認められていなかった。犯行は親に対する復讐ではなかったか。このように人に支配されていては人は育たない。子供は、体が育って→心が育つ→頭が育つ順序がある。人に役立ちたい(幼児でも台所を手伝おうとするなど役に立ちたいとの本能を持っている)、これを専門の言葉で「社会的本能」と言い、誰もが持っている「人の役に立ちたい」という気持ち、この心を伸ばすのが教育である。」
日本では、競争で国家に役立つ人を育ててきたのではないか、競争では人は育たない事をもう一度考え直してみてはと思います。病院の職員共育にも「人を育てるには競争でなく、心を育てることが最も大切」との考えで共に育ち合っていきたいです。
(2009年3月30日発刊)NO.99
「はな」
 第26回全国都市緑化おかやまフェア2009が3月20日〜5月24日に岡山市で開催されますが、当院からは園芸係ガーデナーの斎藤さんが中心となって庭園を展示しております。花は心をいつも癒してくれます。坂村真民の詩集「念ずれば花ひらく」から「花」にちなんだ詩を紹介いたします。また、終了後展示した庭園は病院に持ち帰ります。

    「念ずれば花ひらく」
     苦しいとき
     母がいつも口にしていた
     このことばを
     わたしはいつのころからか
     となえるようになった
     そうしてそのたび
     わたしの花がふしぎと
     ひとつひとつ
     ひらいていった

     「花」
     花には
     散ったあとの
     悲しみはない
     ただ一途に咲いた
     喜びだけが残るのだ

    「花のように」
     何ももっていないのが
     一番いい
     ねらわれる心配もないし
     焼かれる不安もない
     無一物だから
     無尽蔵なのだ
     一切皆空
     咲いて
     散りゆく
     花のようにあれ
(2009年3月23日発刊)NO.98
「恕」
 「孔子」の言葉で(恕=じょ)があります。子貢問うて曰く、一言にして以て終身、これをおこなうべきものありや。子曰く、それ恕か。己の欲せざる所を人に施す勿れ。井上靖著「孔子」の中で。「子貢がお尋ねした。ほんの一言で“生涯、これを行う価値があるものがありましょうか。子がお答えになった。それは“恕”、他人の身になってやることだろうかね。自分の欲しないことを、他人にやらせてはいけないということである。」素晴らしい言葉だと思います。仁や信が日常に行われれば、それが「恕」でしょうか。凡人にはなかなかできませんが、心にとどめ置くだけでも良い生き方になるのではと思います。
(2009年3月16日発刊)NO.97
仁」という字
 先は「信」について、井上靖先生の「孔子」のご本から拝借しました。今週も孔子が大切にした「仁」について「孔子」の本から抜粋いたします。 仁という字は、人編に“二”を配している。親子であれ、主従であれ、旅で出会った未知の間柄であれ、とにかく人間が二人顔を合わせれば、二人の間には、二人がお互いに守らなければならぬ契約とでもいったものが生まれてくる。それが“仁”というものである。他の言葉で言うと“思いやり”。あいての立場に立って、ものを考えやるということである。と書いてあります。孔子さまが生きていた2500年前の中国の戦乱の時代を平和にしたいと願った孔子の思いは、今の時代にも大切なものではないかと思います。“仁”という字は、殷に時代に造られたものと言われています。
(2009年3月9日発刊)NO.96
信という文字」
 井上靖著「孔子」を読む機会を得た。米子市にある井上靖記念館を訪れ井上靖氏の講演テープを購入して、氏の肉声の講演記録を拝聴した。「孔子」の小説を読んで孔子の教えに深く感銘した。孔子の「信」という言葉。人間は嘘を言ってはいけない。口から出すことは、なべて本当のこと、真実でなければならない。これはこの地球上で生きていく上での、人間同士の約束である。人間がお互いに相手のいう事を信ずることができて、初めて社会の秩序というものは保たれてゆくのである。人の言葉は“信ずるもの”“信じられるもの”でなければならない。それ故に“人”という字と、“言”という字が組合せられて“信”という字ができている。この字は、中国の殷(紀元前1600〜1028年)の時代に亀甲や獣骨で造った小さい板状の欠片に彫りつけられているのではないかと思う。井上靖の小説で、架空の弟子・?薑(えんきょう)が語る形で、著者の解釈を述べている。日常の会話の中でも、私たちは己の口から出る言葉が信じられるものでなければならないと思う。人間関係を良好にしているためにも“信”はきわめて大切だと思う。
(2009年3月2日発刊)NO.95
感謝」
 先週(2月26日)に霞ヶ浦に面する土浦市での癒しの環境研究会に参加した。お世話いただいた学会長の招待で、霞月という料亭で会食させていただいた。
土浦は戦前、海軍霞ヶ浦航空隊があった場所で「若い血潮の予科練の 七つボタンは桜に錨. 今日も飛ぶ飛ぶ霞ヶ浦にゃ でっかい希望の雲が湧く」(軍歌若鷹の歌)で、今でもこの歌を知っている人は多い。多くの若者が特攻隊員として戦場で散っていった歴史がある。
 この料亭の女将さんが、一枚の屏風を見せて下さった。そこには特攻で死にゆく予科練の若い兵隊が今生の思いを書き残したもので、衝撃をうけた。回天・春駆(裏から逆に書く)女性の裸象 死生など書いてあり、昭和19年5月の日付があった。終戦1年3か月前のことで、1名を除いて全員死亡とのことであった。仲間との最後の宴に、今生の思いを書いたその時の気持ちを思うと今の世の幸せを思わずにはいられなかった。
  世紀の大不況、医療崩壊、政治の混乱など先行き不透明など暗いことが多いが、今の日本は、豊かで、素晴らしい衣食住に恵まれていると思う。死んでいった若者の気持ちを思うと、多くの犠牲のうえに現在の平和な日々を迎えていると思うのだ。二度と戦争のない世界を! 今を感謝!!
(2009年2月23日発刊)NO.94
変えられるもの・変えられないもの」
 アメリカでは、オバマ大統領が誕生しました。黒人として初めてのアメリカ大統領です。
アメリカのダイナミズムには驚きます。変化を求めて、多くのアメリカ人はオバマ氏に今後4年間、アメリカの政治を委ねました。変えることは勿論大切ですし、誰でもより良い結果を求めて変化してほしいと願います。しかし、世の中には、変えられるもの・変えられないものがあります。渡辺和子先生の著書の中に心を打つ文章がありました。

     主よ、
     変えられないものを受け入れる心の静けさと
     変えられるものを変える勇気と
     その両者を見分ける叡智を与えたまえ
            「ラインホールド・ニーバー牧師の祈り」

世の中には、変えられないものがたくさんあります。どこに生まれたか、どうゆう家庭に生まれたか、どのような環境に育ったか・・・など、このように、生まれながらに与えられたもの、本人の意思では、変えられないものです。そういう事実に対する自分の在り方を決めることは、自分の自由なのです。どうしても変えることのできない運命がありますが、自分の選択で人生が大きく変わっていく可能性は誰にでも与えられていると思います。
参考: 「愛と祈りで子どもは育つ」渡辺和子著  PHP
(2009年2月16日発刊)NO.93
人が育つ」
 自分を振り返ってみて、人を育てるなど自分の子供でさえできないものが、人さまを育てることはできないと最近つくづく感じる。しかし、病院も企業経営である限り、人が育つことがなければ組織は育たない。私も、リーダーとは人を育てることのできる人であると思っているが、なかなか思うようにはいかない。私の加盟している中小企業家同友会では、教育を共に育つ「共育」と言っている。共育によって、互いに育ちあう組織風土ができあがる。私は、共に育つ組織風土育成の過程で、リーダーは育つと思っている。広木克行先生は著書の中で「子育てで一番大切なことは、子どもの能力を育てることではありません。能力を育てる教育と違って、子育てとは子どもの心を育てることであり、そこにこそメインテーマがあります。心を育てるということは関係を育てることです。さまざまな人間関係を経験しトラブルを乗り越えることが不可欠です。」と書かれています。私は、子どものみならず、部下の心を育てることができれば、人は自ずと育つと思います。
参考文献:広木克行著「絆を深め合う過程(みち)」北水
(2009年2月9日発刊)NO.92
幸福とは境遇によるものでなくて、自ら努力してつくるもの
 世の中には、自分の人生を不幸に思う人もいると思います。星野富弘さんは教師として、体操の指導中にあやまって転落し頚髄損傷による四肢の麻痺になり、中村久子さんは両手を失い、ヘレンケラーさんは目耳口の三重苦を背負って人生を歩んでこられました。
共通していることは、その運命を受け入れて、多くの人の心に光を与えていることです。このことが書かれている書物は山本正夫著「こころ豊かに美しく」です。山本氏の奥様も聴力障害で耳が聞こえません。「パパ 私でよかったわね パパだったら大変だものね 子供だったら 将来が大変だったし 私でよかったわね」との奥さまの言葉が紹介されていました。大田堯先生も「生命のきずな」の中で、星野富弘さんのことを紹介して、丈夫であればこうも、ああもできたのに。他人に弱みを知られたくない、こんなみじめな自分を忘れたい、などなど、苦悶と悔恨の日が続いたことを書かれています。星野さんの大きな転機はキリスト教ヘの入信だったのでしょうが、他人とのかかわりあいの中でも素直になれない古い星野さんが死んで、あるがままの全部を受け入れる、新しい星野富弘が誕生したのです。「死と再生〜失いながら獲得する〜」の中で紹介されているように、大田堯先生は「人は失いながら獲得する」といい、黒住教の教への中にも「難有り、有り難し」があるといいます。人は心の持ちようで幸せにも不幸にもなり、太陽にもなることができるのだと思います。
  参考文献 「こころ豊かに美しく」山本正夫著
       「生命のきずな」太田堯著    偕成社
(2009年2月2日発刊)NO.91
社長は社員を励ますためにある
 1月30日(金)に岡山県中小企業家同友会での新春経営講演会の講師として、宮崎県で洋菓子製造業を経営し、宮崎県では一番の地場洋菓子製造販売会社に育てられている(株)ゴローズ・プロダクツの内田五郎社長をお招きいたしました。“ダメな人間など一人もいない”採用した以上は“人生を預かっている”つもりで育てなければならないと気づき、ゴローズ・プロダクツでは、社員60名、パート70名のうち、知的・精神・身体障害者を7〜8名、雇用している。
会社の理念の一つである「社会性―地域に受け入れられる―」を、障害のある人が会社に温かく受け入れられることを通じて、実践している。社長の講演の中での「社長は社員を励ますためにある」との言葉を、見習わねばと思った。いま、企業経営が厳しく、リストラという人員削減が行われていますが、会社の社会的責任を考えてもらいたいものである。
(2009年1月26日発刊)NO.90
ユーモア
 私達の生活の中で予想外なことがしばしば身近におこる、それをユーモアにしてしまうところに、人生の楽しさがある。最近頂いた「随筆」の中で、素敵な「ユーモア」に富んだエッセイに出会った。誰にでもおこる、予想外の出来事を楽しくやり過ごすことは人生を豊かにする。私は1月24日に公民館で講演をさせて頂いた帰りに館長さんの随筆集を頂いた。館長さんは元岡山県の職員で、工事の設計や監督をなさっていて、いまは公民館の館長さん。
「忘れ物」
ダムの周辺道路の竣工検査を受けるために、検査官と共に車で事務所を出発した。乗ること1時間、現地に到着した。さあ、いざ検査、「まず設計書を見せてください」と検査官の第一声。私はナップサックの袋を探したが、設計書が見当たらない。いくら探してもない。
事務所に忘れてきたのである、「君は一体何を考えているのだ。検査を受けるのに、一番大事な設計書を忘れるとは何たるざまだ」とお叱りを受けたのは言うまでもない。それまでも何度か、行くのに忘れ物をすることがあったが、そこまでの決定的なものはなかった。
 この大失態以来、私は私なりに考え、非常に良い方法を思い付いた。ダムの現場に行くには、靴を履くのと同じ様に必ずヘルメットを持っていく。そこで、ヘルメットの頭の裏の部分に、「忘れ物はないか」と大きくマジックで書いた。現場に行く際ヘルメットを持ち、その裏に書いている言葉を見て、今一度、今日は何のために現場に行くのか、忘れものはないか、を自問自答した。そのかいあって、それからは忘れ物がなくなった。
 ある日現場からの帰りに、昼食を途中のホルモン屋で食べた。時々そのホルモン屋には寄っていた。何故かそうゆう所には、若い娘さんが店を手伝っていたりするものである。昼食をとって事務所に帰ったとき、そのホルモン屋の娘さんから私に電話がかかった。その娘さんが電話で言うには、「あの・忘れ物はないかと書いてあるヘルメットを店に忘れていますけど」

参考文献:竹本良市著  随筆  「山岡公民館20周年に寄せて」頁 7−8  平成21年1月号
(2009年1月19日発刊)NO.89
人格の完成を目指して
 教育基本法(1947年・公布・施行)は「日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するために、この法律を制定する」とあります。第1条には、「教育の目的は、人格の完成をめざし〜〜〜〜〜。」この人格とは何か。山本正夫著「答案とその後」−共育抄録―の中に、明確にお書きになっているのを見て、これなら多くの人が納得できるものと思いました。先生は、「人格とは自ら考えて決断し、その結果に責任をとる」といったことを意味し、「集団社会で生きる個人として基本的なありかたと一致している」と書かれています。また、人格の完成は、あり得ず、いうならば、常に「人格の向上と成熟を目指し努力し続ける」ことが「教育の目的」でしょう。これは、学生に対することであると同時に、大人である私達にとっても、生涯教育の中で目指していくべきものだと思いました。
  参考文献: 山本正夫著「答案とその後」−共育抄録―
(2009年1月12日発刊)NO.88
100年に一度の大不況に思う
 アメリカのサブプライムローンに始まった大不況は世界を巻き込み、私達の生活に不安をもたらしています。このたびの大不況第一の原因は、アメリカの低所得者達が低所得者向け住宅ローンを利用し、住宅の価格上昇時にはそれを原資に支払いに回せていたが、それが崩壊し不良債権化した結果です。日本でも1991年に始まった土地バブルに端を発したバブル崩壊がありました。やはり汗水たらして働くことの大切さを肝に銘じて生活していくべきだと思います。
また、日本人は今までは「豊かな社会を求めて」きたのですが、これからは「幸せな社会を求めて」いく方向に変化していくのではないでしょうか。新自由主義に基づく市場経済原理主義にゆだねた結果が能力主義万能のような風潮を生み、命の絆を断ち切ってきたのではないかと思うのです。これからは、ズタズタになった命の絆を修復し、真のライフラインを構築していきたいものです。そして、一寸先は闇でなく、一寸先は光であることを信じて、希望を持って2009年を送りたいものです。
(2009年1月5日発刊)NO.87
1年の計は元旦にあり

「1年の計は元旦にあり」といわれますが、今年こそはと心新たに精進していきたいものです。
私は目標として
 @命のきずなを大切に
 Aかかわる人と共に育つ
 B先端医療とアートの融合
の3つを掲げました。
1年後にどの様な成果に結びつくか楽しみにしています。
100年に一度の大不況、医療崩壊、多発する傷害事件、介護難民、教育崩壊など悪い面ばかりが報道されています。しかし、日本は恵まれた国です。一寸先は闇だと思うより、一寸先は光だと確信して、前進して参りたいものです。
(2008年12月22日発刊)NO.86
世尊最後の言葉

すべてのものは うつりゆく おこたらず つとめよ
                     「世尊最後の言葉」(坂村真民)

今年ももうすぐ終わります。日々おこたらずつとめてきたかと自分に問いかけ、反省もし、新しい年に備えたいと思います。
今年も大みそかには、瀬戸内海に沈む太陽に向かって、「今年一年ありがとうございました」とお礼を言い、元旦には「今年もよろしく」と初日の出を拝みにまいります。この一年間、私の一言を読んで頂いた方に心から感謝いたします。来たる年が、平和で良い年となりますように。

参考文献:坂村真民1日1言  致知出版社
(2008年12月15日発刊)NO.85
桃咲く
   桃 咲く
   病が また一つの世界を ひらいてくれた      
   桃 咲く
       「坂村 真民」

この詩は、真民さんの詩の中でも私が好きな詩です。病に倒れることは不幸なことですが、病を授かったお蔭で人生に対する思いが深まったり、新しい人生が始まったりします。病にさえ感謝できる人は本当に素晴らしいと思います。
(2008年12月08日発刊)NO.84
こんな人に出会えてよかった!!
  第1回岡山県民医療公開シンポジウム「共に考えよう岡山の医療」を12月6日、岡山県病院協会主催で岡山ロイヤルホテルにて開催いたしました。NPO法人 ささえあい医療人権センターCOMLの理事長である辻本好子さんに基調講演「良い医療とは」をお願いいたしました。その中で、患者さんと医療者が『こんな人に出会えてよかった!』という関係ができることが「良い医療」であると話されました。インフォームド・コンセントによって患者が納得されればよい医療につながっていくと思います。
 『こんな人に出会えてよかった!!』と辻本さんは今回、患者さんと医師との関係について言われましたが、私たち皆、この人に会ってよかったと思える出会いをしたいものです。

追記:森岡まさ子さんも「出会いは永遠の薫り」といっておられました。岡山旭東病院の「健康の駅」前のギャラリーで、森岡まさ子カレンダー2009とカレンダーの挿絵を描く「はしはらてるみ」さんの絵画展を12月27日まで展示しています。カレンダーは売店にて販売しており、その収益金は森岡まさ子さんの家保存の為に使われます。
(2008年12月01日発刊)NO.83
Think small first
 『Think small first』はヨーロッパ小企業憲章の基本的考えです。私は今年の5月18日〜25日の短い期間ではありましたが、中小企業家同友会の企画する中小企業憲章のヨーロッパ視察旅行に参加しました。ブリュッセルにあるEU本部やフィンランドなどを訪れ、EUの国々での憲章の実践状況を視察しました。先進国はどこも、雇用の主役であり、文化の担い手として中小企業の育成に力を入れています。『think small first』は政治や経済を考えるとき、ファミリー企業を含む小企業への影響をまず考えて政治や行政を施行する考え方です。私は社会のありようも、まず弱い者、小さな者や事を大切にすることが重要であろうと思います。
『Think small first』 いい言葉だと思います。
日本にも憲章制定の活動を進めていきたいものです。

            参考文献  THINK SMALL FIRST 中小企業憲章  ヨーロッパ視察報告
                ¥1,000 中小企業家同友会全国協議会(中同協)03-5953-5721
(2008年11月24日発刊)NO.82
共に考えよう岡山の医療
 国は、急性期医療から慢性期医療、在宅へのシームレスな医療・福祉を推進するため、
医療制度改革を進めています。今年4月から特定健診・特定保健指導などの予防医療や、後期高齢者医療制度がスタートするなど、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしつつあります。医療を提供する側と、利用者である国民との間に相互理解がなければ、医療崩壊などの言葉に恐怖感さえ感じます。
岡山県病院協会では12月6日(土)13:00〜16:30、岡山ロイヤルホテルを会場に第1回岡山県民公開医療シンポジウムを開催いたします。テーマは「共に考えよう岡山の医療」です。基調講演にはNPO法人 ささえあい医療人権センターの代表である辻本好子氏をお招きして「よい医療とは」の題でご講演いただきます。利用者、行政、マスコミ、病院経営者などと、立場を超えてのシンポジウムを企画しています。人は病気には必ずなります。多くの県民の方に集っていただけることを希望しています。もちろん県外の方の参加も大歓迎です。参加は無料ですが整理券が必要です。
今週は岡山県病院協会の会長立場でご案内させていただきました。お問い合わせは岡山県病院協会事務局まで。 Tel:086-272-6400 E-mail oka-hosp-a@syd.odn.ne.jp
(2008年11月17日発刊)NO.81
愛をこめて生きる
  先日(11月14日)、ノートルダム清心学園理事長 渡辺和子先生の講演をお聞きした。(岡山県中小企業家同友会主催)
シスターは若い頃、アメリカの修道院でしていたテーブルにお皿を並べる単純作業に対して、先輩シスターから「you are wasting time」と諭され、どんな単純な作業でも心をこめてすることの大切さを教えられたとお話された。1枚1枚のお皿をそのテーブルに座る人の幸せを祈りながら置くことが、その時間(命)を無駄に過ごさないことになる。どのような些細なこと、例えば皿洗いや掃除、あいさつなど誰でもする日常の振る舞いの中においても「愛をこめて生きる」ことが、人として生きる質を高めていく道であることをご自身の経験を交えてお話された。
愛をこめて生きることの大切さを身近なことから実践していきたいものである。

参考文献:「愛と祈りで子どもは育つ」渡辺和子著  PHP
(2008年11月10日発刊)NO.80
会社(企業・病院)の使命
  企業の使命は3つあります。社会的使命、生産的使命、経済的使命です。この中で最も大切にしなければならないものが、社会的使命だと思います。雇用の確保、社員の幸せ、患者様の幸せ、取引業者さんの幸せ、地域住民の幸せが大きな社会的使命です。経営理念を目標に、歩んでいくことが社会的使命のみならず、他の使命も達成できるものと言い聞かせて実践していきたい。私たちの病院では、特に理念の一つである「職員ひとりひとりが幸せで、やりがいのある病院」になるためにお互いが育ちあっていこうとする意志の確認が必要だと感じています。育ちあう組織風土を、職員と共に創っていきたい。
多くの企業の不祥事は、経営理念への求心力の弱さから起こるのだと戒めていきたいものです。
  
岡山旭東病院の経営理念
・安心して、生命をゆだねられる病院
・快適な、人間味のある温かい医療と療養環境を備えた病院
・他の医療機関・福祉施設と共に良い医療を支える病院
・職員ひとりひとりが幸せで、やりがいのある病院

                       参考:岡山旭東病院の役割〜マニフェスト〜
(2008年11月03日発刊)NO.79
私はあなた  私以外に  見えないあなた「河井寛次郎」
 他人という言葉がある。 人は自分からすれば別の人間だといえる。
そうだそれにちがいない。然し自分で現わして居ない人とゆうことがあるであろうか。
自分が付けた値で自分が買って居る値。
11月1日(土)津山中央病院の院長である、徳田直彦先生の松岡賞(がん撲滅に功績のあった個人または団体に授与される山陽新聞社の事業)の受賞記念に招待された。徳田先生が岡山県北のがん治療に献身されたことの業績は高く評価されている。その記念に頂いたご本は河井寛次氏の「いのちの窓」という平成15年の復刻版であった。その中の1文に「私はあなた 私以外に みえないあなた」が目にとまった。私が係わる人と共に成長することが自分の価値を高めることになるのではないかと、深い思いが伝わってくる。同時に、徳田先生の人徳がしのばれた。

                        参考文献
                       「いのちの窓」 河井寛次郎著 東峰書房 p43
(2008年10月27日発刊)NO.78
命のきずな
 平成20年10月24日、岡山県病院協会主催の病院優良職員表彰式で、ソプラノ歌手 村上彩子さんと、ピアノ 大石邦子さんによる記念ミニコンサートが開催された。石井恵子氏の詩画集「あなたのお母さんでよかった」の朗読と共に、命の絆の大切さを歌に託して素晴らしいソプラノの美声で伝えてくださった。

あなたのお母さんでよかった。  「石井恵子」

あなたと歩いた二十数年は 迷子になりそうな日々だったけれど  
あなたのお母さんになったから  出会えた人がいるのです
あなたのお母さんになったから  見えたものがあるのです
だから あなたに会えてよかった あなたのお母さんでよかった
     
作者の言葉:知的障害をもった子どもを授かってからの二十年は、不安の中で、この子のためにどうしてやるべきかと、自問自答しながらの子育てでした。でも、そんな中での貴重な出会いや体験が、私自身の世界を・・少しひろげてくれたような気がします。あの子の手を引いて歩いてきたつもりが、逆にあの子に手をひかれ、育てられてきたのかもしれません。

命の絆が薄れていく世相をなげくだけでなく、一人ひとりがきずなを大切にしていきたい。

参考 「あなたのお母さんでよかった」 幸の実園・編  
発行所 社会福祉法人 愛信会  制作発売 那珂書房 
(2008年10月20日発刊)NO.77
健康を保つ心がけ
 日本人の平均寿命は女性で85歳、男性で78歳となり、よくぞここまで長寿国になったと誇らしい気持ちになる。ただ、長寿になっても安心して暮らせる年金や医療制度の確立が緊急の課題だと思う。また、自己責任によって病気にならないよう自己点検することも大切である。検診は進んで受け、生活習慣を変えていくことも重要である。

 「早寝、早起き、3度の食事、笑顔で、すぐやる、怒らない」を実行することによって良い習慣を作っていけるのではないかと期待している

(2008年10月13日発刊)NO.76
稔るほど、首を垂れる稲穂かな
 どなたがおつくりになったものか知らないが、いい言葉(川柳)であると思う。私の家の周囲はまだ稲作が行われていて、稲穂が稔った実の重さで頭をたれているように見える。見るたびに自分を反省して、もっと謙虚にならねばと思う。私が何かやったと思っていても、実は多くの人のおかげであったり、好運に恵まれていることが多い。東井義雄先生が、「拝まない者も、拝まない時も、拝まれている」という言葉を残していらっしゃるが、私たちは多くの絆とおかげとで結ばれている。
(2008年10月6日発刊)NO.75
経営の原点12ヶ条
 10月3日(金)MMPGの本部事務局からの依頼で、医療コンサルタント並びに医療関係者対象の研修会に呼ばれ、仙台市にある(株)三澤経営センターを会場として15:30〜18:00「職場は貴方の晴れ舞台」の演題で講演を行ってきた。お世話して下さった担当の女性は、知性あふれる丁寧な対応をして下さり感謝している。
案内されたオフィスのテーブルに、A4にコピーされた、京セラ会長 稲盛和夫氏の「経営の原点12ヶ条」がさりげなく置かれていた。『自由にお持ちください』と書いてあったので、これ「いただいてもいいですか」とお願いして、頂いて帰った。読み返してみると、さすがと唸るような言葉が並んでいる。自分の経営の中にもぜひとも学んで実践しなければと思った。
1、 事業の目的、意義を明確にする
2、 具体的な目標を立てる
3、 強烈な願望を心に抱く
4、 誰にも負けない努力をする
5、 売上を最大限に、経費は最小限に
6、 値決めは経営
7、 経営は強い意志で決まる
8、 燃える闘魂
9、 勇気をもって事に当たる(卑怯な振る舞いがあってはならない)
10、常に創造的な仕事を行う
11、思いやりの心で誠実に
12、常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて率直な心で経営する
                       経営の原点12ヶ条  稲盛和夫
6、の「値決めは経営」については、医療機関において医療行為は公定価格であり、自分では医療サービスに値段を決定することはできない。しかし、他は全て納得である。このような経営が末端まで浸透していけば、豊かで、思いやりのある社会が生まれるように思った。
(2008年9月30日発刊)NO.74
生命のきずな
1)命のきずなを深めあっていきたい
「生命のきずなフォーラム2008年」が先週27日土曜日に岡山旭東病院のパッチ・アダムスホールで盛会裏に終了しました。パッチ・アダムスの招聘を記念して始まった、赤い鼻道化教室。6年目を迎えての記念行事「生命のきずなフォーラム」は大田堯先生の基調講演ではじまりました。大田尭先生は、人の生命についての特徴を次のように述べられたと思います。
@生命は多様性を持っている  
A自ら変わる(自ら変わるように助けるのが教育である)
B他人とのかかわりの中で自分を発見することができるし、お互いを励ましあうことが大切である。
 そして最後に、世界平和のワクチンは、長い時間はかかるが「生命(いのち)の絆をお互いに深めあうこと」ではないかと結ばれた。第2部のシンポジウムでは、太田堯先生、臨床道化師 塚原成幸氏、私の3名で命の絆についてそれぞれの立場から話しました。人と人の絆がどんなに世の中を明るくしていくか、学ぶことが多かったと思います。詳細は後日、記録集にまとめます。今年中には完成させる予定です。希望者は企画課まで(多数の場合は抽選になります)。

2)教養について かかわりあいの知恵を教養と言う
 ほんとうの人間教養とは、その人の内面から湧き出る興味、深い好奇心に支えられること、さらには他の生命の身になって考える能力の広さと深さを言うのだと思います。
   
                      「太田堯先生著 偕成社 生命のきずな」より」
(2008年9月22日発刊)NO.73
生きるとは、特に現代社会の中で生きるとは
  「生きるとは、特に現代社会の中で生きるとは」という題で話をとの宿題を経営者の団体(中小企業家同友会)から与えられた。
生きることは、生きる、暮らしを守る、人間らしく生きることに集約される。生命は誰にとってもかけがえのない尊いものである。その生命をまっとうするためには、暮らしを守るために、衣食住が満たされなければなりません。しかし、それだけでは、私たちは人間らしく生きたとは言いがたいと思います。人間らしく生きるとは、人間だけが持っている慈悲や愛と表現されるお互いを思いやる心、言い換えれば、人と人の心と心のきずな(真のライフライン)を構築することではないかと思う。それが、現代社会で人間らしく生きる全てではないか、そんな話ができればと考えている。
 訳もなく、幼児が殺害されたり、不正な手段で、お金を儲けるためにお米を食用として流用したり、食品の賞味期限を詐称したり、今まさにライフラインはずたずたの状態ではないでしょうか。

注:水道管、電線、ガス管をライフラインと報道されることがあるが、あれはパイプラインであって真のライフラインではない。(太田尭先生の言葉)
(2008年9月18日発刊)NO.72
パッチ・アダムスとの再会
  9月12日(金)、筑波メディカルセンターにパッチ・アダムスin ジャパンクラウンツアーの御一行が訪れました。当日、私は病院の計らいで講演を依頼され、パッチ訪問後の18:00から「病院の癒しについて」講演をさせて頂きました。短い時間でしたがパッチにも再会でき、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 イタリアからの3名を含む30人近いクラウンの御一行で、パッチを先頭に12日の13:00にバスで到着しました。病院の玄関には赤い鼻を着けた病院職員や患者さまがパッチを出迎え大歓迎。パッチは病室にも訪問し、多くの患者さまとも触れあい、踊りあり、歌あり、また、ユーモアを交えた交流があり、病院中がお祭りのような熱気に包まれました。私も久しぶりにパッチと会うことができ(2002年9月1日に岡山講演依頼)、精力的に世界中に愛とユーモアの大切さを伝えて活動している姿を拝見し、元気をもらって帰ってきました。私からは別れ際に、森岡まさ子さん(99歳で逝去)の発案になる「こそ丸」をプレゼントいたしました。パッチは森岡まさ子さんを日本のママといって慕っていましたが、ママはここに生きていると言って胸を押さえて表現してくれました。
病院を愛とユーモア、芸術に包まれた癒しの環境にすべく追求していきたいと思いを新たにいたしました。パッチの岡山講演をきっかけで始まった「赤い鼻道化教室」開講6周年の記念に9月27日(土)、当院パッチ・アダムスホールにて「生命の絆フォーラム」を、大田堯先生、塚原成幸氏をお招きして開催いたします。関心のある方は、岡山旭東病院 企画課にお申込みください。
(2008年9月8日発刊)NO.71
「やる気になるとゆうこと」
  勉強でも、仕事でも、遊びでも、「やる気になって」はじめて自ら実行できる。
マズローの欲求5段階の最上階、自己実現を目指して人生を燃焼させることができる人は幸いである。当人の思想の高さが、質の高い自己実現に向けて、やる気にさせ、日々の活動の中で目標を設定していくものである。どんな仕事も、自分で裁量できる範囲が広がれば、自ずと仕事や勉強に身が入るものと考える。
当院の経営理念の一つに、「職員ひとりひとりが幸せでやりがいのある病院」があるが「職場は私の晴れ舞台」と言ってもらえるよう今後も環境整備に努めていきたい。
(2008年9月1日発刊)NO.70
「ライフラインとパイプライン」
 阪神淡路の大震災があって10年が経つ。いまだ、心の傷が癒されていない多くの人がいるという。
 震災が起こったときにライフラインが破壊されたと報道された。このライフラインとは、電気やガスなどの生活に必要なエネルギーを運ぶ電線であり、ガス管であり、そして水を運ぶ水道管を総称してライフラインと言っていた。これに対して太田尭先生が、それはパイプラインであって、ライフラインは「命の絆」を言うのではないかと問いかけられた。私も人と人のつながり、「生命の絆」が最も大切だと思う。生活が便利になった反面、人と人のつながりが希薄になっているように思う。震災のあった場所で早く復興したところは生命の絆(ライフライン)がしっかりしていた地域であったと聞く。
夏休みにタイの田舎を旅行してタイの病院や、診療所を見学した。お世話になった方々とのふれあいの中で、生命の絆が、生活の中でしっかり生きているように感じた。

生命の絆フォーラムを赤い鼻道化教室の主宰で行います。参加大歓迎です。
「生命のきずなフォーラム」
 第1部 基調講演  大田尭先生 「命の絆」
 第2部 医療・教育・道化師 私・大田尭先生、道化師塚原成幸の対談
 2008年9月31日(土)14:30  入場料 1800円
 場所 岡山旭東病院内パッチ・アダムスホーム
 ※整理券は岡山旭東病院インフォメーションにて発売中
 問合わせ:企画課  086−276−3231
(2008年8月18日発刊)NO.69
「感動は人を変える」
 「致知」出版社の社長・藤尾英昭氏の著書「小さな人生論」Aの12〜16頁に児童文学作家の故・椋鳩十さんの話を引用されている。
信州の伊那谷の小さな小学校の同窓会に三十年ぶりに、参加したが、禿げ上がったり、皺がよったり、はじめは誰が誰やらわからなかったが、次第に幼いころの面影がよみがえってきた。しかし、一人だけ思い出せない人がいた。隣の人に聞くと「あんな有名だったやつを忘れたのか。ほら、あの“しらくも”だよ」椋さんは、え!?となった。頭に白い粉の斑点が出る皮膚病である。勉強はビリで、馬鹿にされていた。いつも校庭の隅のアオギリの木にポツンともたれていた。ゆったりとした風格を滲ませて皆と談笑している男が、あの“しらくも”とは・・・聞けば、伊那谷1、2の農業指導者としてみんなから信頼されているという。
彼は、惨めでつらかった少年時代。子供には勉強させて、みじめな思いをさせたくないと思った。しかし、子供は勉強する風もない。子供に本を読めとゆうなら、まず自分が読まなければと思ったが、本など開いたことがない。最初は投げ出したくなった。それでも読み続けた。引き込まれた。感動がこみ上げてきた。その感動につき動かされ、3回も読んだ。その本はロマン・ローランの「ジャン・クリストフ」主人公のジャンの苦悩と運命が、彼には我がことのように思われた。彼は、農業の専門書を読みあさり、猛勉強を始めた。斬新な農業のやりかたを試みて成功させ、そして“しらくも“は皆から頼りにされる農業指導者と化した。
 「感動とゆうやつは、人間を変えちまう。そして奥底に沈んでおる力をぎゅうと持ち上げてきてくれる」と椋鳩十さんは、終わりに力強く語っている。この話を、藤尾さんが紹介されていて、「感動は人を変える。笑いは人を潤す。夢は人を豊かにする。感動し、笑い、夢を抱くことのできるのは、人間だけである。天から授かったこのかけがえなない資質を育み、さらに磨いていくところに、前向きの人生がひらけるのではないだろうか。」と結んでいる。「出会いは永遠の薫り(森岡まさ子)」というが、人との出会い、本を通じての人との出会い、それを感動をもってうけいれ、持続する心をもち続けたいものである。

参考文献: 藤尾秀昭著 「小さな人生論」 致知出版社
(2008年8月11日発刊)NO.68
「鎮魂の花火」
 8月5日(火)光明園での夏祭りに参加いたしました。
 瀬戸内海に浮かぶ長島には、ハンセン病の療養所として愛生園と光明園がある。今は、長島大橋で陸続きとなっているが、戦前戦後を通じての隔離された島での厳しい生活をしいられた療養者の多くは現在80歳近い高齢となり療養所の中で生活されている。らい予防法のもとに、隔離政策が戦前戦後も続けられ、島で亡くなられた多くの人は納骨堂に眠っていると聞く。毎年、愛生園・光明園では身寄りのなくなった方の遺金をいれて夏祭りが行われ、花火が打ち上げられる。これを鎮魂の花火という。
4年前から、光明園の夏祭りに私たちの仲間である“あかい鼻道化教室”のメンバーで参加している。今年は総勢20名で、三々五々参加して、皿回しや、バルーンアートで、参加される子供や入所者とともに楽しんできた。
 お祭りの最後に、盛大に夜空に打ち上げられる花火の意味をかみしめ、亡くなられた方々の冥福を祈ってきた。来年も参加したいと思う。

参考文献
1)らい予防法の廃止に関する法律(1996年(平成8年)4月1日法律第28号)をもって廃止された。らい予防法違憲国家賠償請求訴訟(-よぼうほういけんこっかばいしょうそしょう)とは、日本の著明な国家賠償訴訟のひとつ。ハンセン病に罹患した患者を伝染のおそれがあるとして隔離することを認めたらい予防法が、日本国憲法に違反するとして提起した国家賠償訴訟。しかし、心の差別という垣根は今も残っている。
2)「鎮魂の花火」中山秋夫著(光明園 牧野園長より寄贈される)
(2008年8月4日発刊)NO.67
「一本の道を」
 私は坂村真民先生の詩を何時も身近に置かせていただき、生きる元気をいただいている。
「一本の道を」は、心を奮い立たせてくれる詩の一つである。真民先生にお会いすることはもうできませんが、多くの詩を残して下さっており、それに接する幸せを思う。

一本の道を         「坂村真民」

木や草と人間と
どこがちがうのだろか
みんな同じなのだ
いっしょうけんめいに
生きようとしているのをみると
ときには彼等が
人間より偉いとさえ思われる
かれらはときがくれば
花を咲かせ
自分を完成させる
それにくらべて人間は
何一つしないで終わるものもいる
木に学べ
草に習えと
わたしはじぶんに言いきかせ
今日も一本の道を歩いて行く
(2008年7月28日発刊)NO.66
「社会的共通資本としての医療」
 岡山県に於いても、少子・高齢化社会への急速な進展と社会環境の構造変化に伴い、医療の安全・安心と、質の向上が一層求められています。
医療現場では、医師不足、病院の職場環境の激変、悪化によって、地域医療が崩壊するのではないか心配です。私は医療現場の実情を軽視した政府の財政主導による医療費抑制政策を転換し、国民が安心して健やかな生活ができる地域医療の確立を図るため、十分な医療財源を確保することを願っています。教育と医療は社会的共通資本だと思います。私のボヤキです。
参考文献:宇沢弘文著「社会的共通資本としての医療」日本病院会ニュース 連載
(2008年7月21日発刊)NO.65
「日本の医療を考える」
 @ 明確なビジョン 教育・医療福祉は社会的共通資本である。
 A think small first 小さいもののことを考えて、医療政策を考える。
  かかりつけ医師・中小病院が地域社会を支えている。
 B 市場原理主義は日本の医療を荒廃させる。
 (国民皆保険制度を堅持するためには財源の確保は必要)
 C 後期高齢者保険制度の問題となった終末期医療は、
  国民の議論からどうするのか、時間をかけて議論を尽くす。
 D 病院では、医師の多くは当直明けにも勤務しており、
  医師・看護師など医療従事者の職場環境を改善する必要がある。
(2008年7月7日発刊)NO.64
「ヒポクラテスの誓」
 紀元前5世紀、ギリシャ時代、高度な科学的知見と、職業的倫理観と優れた、職業的倫理観をもっていたギリシャ医学のエッセンスを象徴的にあらわしたものが、「ヒポクラテスの誓」である。一昨年、ヒポクラテスの活躍したエーゲ海に浮かぶコス島を訪問した。そのコス島でヒポクラテスは医師となることの誓いを神にささげるのである。
 「医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエア、バイナケアおよび全ての男神と女神に誓い。私の能力と判断を尽くして、この誓いと約束を守ること。 わが師を親の如く敬い、我が財を分かって、その必要あるとき助ける。その子孫を視ること、我が兄弟の如くし、医術を学ばんといするものには、無報酬、無条件で、これを授ける・・・誠心、誠意をもって、患者のために尽くし、決して、悪くて有害と知る方をとらない。 頼まれても、死に導くような薬を与たり、その指導をすることもしない・・・いかなる患家を訪れるときも、それはただ病者を利益するためであり、あらゆる勝手な戯れな堕落の行いを避ける。女と男、自由人と奴隷の違いを考慮しない。医に関すると否に関わらず、他人の生活についての秘密を守る。この誓いを続ける限り、私はいつも医術の実践を楽しみつつ生きて、全ての人から尊敬されるであろう。 もしもこの誓いをやぶるならば、その反対の運命を賜りたい」日本にも江戸時代に、西洋医学が長崎から蘭医によってもたらされたが、日本においても医聖として医師の中でひろまった。
 時代とともに、医療も進歩し、環境も変化しているが、基本的には同じである。現代では、医師だけでなく、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師など多くのコメディカルスタッフ、患者さんを含めた皆の協力が必要であると思う。

参考文献:鵜沢弘文著 「社会的共通資本としての医療」日本病院会ニュース 連載(全18編)

(2008年6月30日発刊)NO.63
「時は命」
 日野原重明先生は「命は自分で使える時間」と言っておられますが、時は命と考えると、時間の使い方は命の使い方でもあります。したがって、無駄な時間はないわけで、大切に使っていきたいものです。自分に大切な時間は、他人にとってもかけがえのない時間でもあります。したがって、他人の時間泥棒にならないように留意していきたいものです。
「生きている、とは、時間が与えられている、ということ。そうして、その時間の中身を最終的に決めているのは、他ならぬあなた自身。」

     参考文献  日野原重明 いのちと勇気のことば   こう書房

(2008年6月23日発刊)NO.62
「すべてとどまるとくさる」
 すべてとどまると
 くさる
 このおそろしさを
 知ろう
 つねに前進
 つねに一歩
 空也は左足を出し
 一遍は右足を出している
 前へ進む
 これがいいんだ
 常に前進
 つねに一歩
         「真民」

 坂村真民の詩。真民さんは一遍上人を慕っておられた。真民さんの一生はこの詩の如く、一生を「詩」一筋で貫かれた。人生は常に前進していかねばならない。私は真民詩にいつも勇気づけられ、感謝している。

(2008年6月16日発刊)NO.61
「笑いは無言のコミュニケーション」
 16日(日)岡山生と死を考えるセミナーでアルフォンス・デーケン先生の講演を聴いた。演題は「よく生き よく笑い よき死に出会う」である。「ユーモアは愛と思いやりの表われであり、心と心の絆を深めるものである。ユーモアとはにもかかわらず笑うことである。笑顔は無言のコミュニケーションであり、笑いながら腹を立てる人はいない。」等のお話であった。本当にそうであると思う。ユーモアや笑顔の素敵な人は、人をひきつけるし、病にも打ち勝つ力を備えているように思う。また、人は道を聞くときでさえ、笑顔のない怖い顔の人ではなく、笑顔の人に道を尋ねる。日々、笑顔とユーモアを忘れず生きていきたいものである。
(2008年6月9日発刊)NO.60
「高齢者の医療福祉に思う」
  後期高齢者(75歳以上)保険なるものが平成20年4月から導入されたが、いろいろな不都合が報道され、現場でも混乱している。高齢者は病気になりやすく医療費がふくらみ、これを少しでも抑制しようとするのが政府の考え方であろう。しかし、いずれ多くの人が高齢者になると考えるともっと手厚くし、安心して生きていけるようにしてほしいと思う。
 財源が問題だと思うが、国民が高齢者の医療福祉を税金で払っても良いと意思表示をすれば実現可能ではと思う。フィンランドは高齢者のケアに特別法は存在しない、ちなみにケアは税金でまかなわれている。
(2008年6月2日発刊)NO.59
「競争から職員(社員)は育たない」
 競争から人は成長しないと先週書きましたが、競争から職員も育たないのではと思います。先日、フィンランドに視察旅行(ヨーロッパの小企業憲章とフィンランドの教育についての勉強の旅)をしましたが、フィンランドは世界経済ホーラムで総合的国際競争力は1位と評価されています。また、 年のOECD学力調査で学生の能力と教育レベルが1位と注目されています。「競争」を極力排した教育が行われています。義務教育の9年間は、相対評価でなく、絶対評価であるといいます。そのような教育が行われてきた結果が福祉国家として国民の満足度に証明されているのではないかと思いました。私も職員の持ち味を尊重し、絶対評価をすることで、職員も成長するのではないかと思います。競争するとすれば自分との競争ではないでしょうか。
(2008年5月26日発刊)NO.58
「競争からは人は育たない」
  学校では成績を他人と比べて競い合う、職場では能力主義で競い合う、それでは人間的な成長はないのではないかと思う。共に学び、共に育つそのような、そんな社会や組織運営ができればいいな。
[みんなで力をあわせていこう、蔭でこそこそしないでいこう、良いことは進んでしよう、
働くことが一番好きになろう、いつも何故と考える人になろう、もっと良い方法はないか探そう]
                          (佐藤藤三郎)「共に育つ Part 1」
(2008年5月12日発刊)NO.57
「いのちの絆」
  5月10日東山講演集会所のふれあいサロンで、「いのちの絆」と題してお話させて頂いた。月からみた地球の美しさをみると生命の星であることを、実感し感動する。地球全体が命の絆で結ばれていて、人間もその中の一つの命である。命の特徴として、それぞれが、ちがう、自ら変わる・そして、関わることによって生命は輝く。命は関わりあいの中にあり、人間の関わりあいの知恵として、愛と笑顔とユーモアが大切ではないか。
(2008年5月5日発刊)NO.56
「花は香り、人は人柄」
  藤尾英昭著の「小さな人生論B」をこの連休の最後の日に読む。藤尾氏は、雑誌「致知」出版社の社長である。著書の中に、「花は香り、人は人柄」とゆう言葉に出会い、感銘を受けた。一文を引用すると「安岡正篤、吉田松陰、坂村真民、佐藤一斎、二宮尊徳、森信三の6人の先哲の語録を編纂して、しみじみと沸きあがってくる感興がある。6人の人生の達人の言葉は、煎じ詰めれば一に帰する思いである。一とはなにか。それは「花は香り、人は人柄」ということである。見た目にはいくら華やかで艶やかでも、造花には真に人を引きつける魅力はない。人もまたいくら実力があっても、傲慢で鼻持ちならない人に人間的魅力はない。」と書いておられる。
 一隅を照らすという言葉があるが、自分を磨いていく、そうして、一人一人が一隅を照らしていけば、万燈となり職場も、社会も変わっていく。私の業界でも医療制度や診療報酬には問題も多いが、この決められたなかで、最善を尽くしていく、その中で活路を見出していきたいと思う。
藤尾英昭著 「小さな人生論」 致知出版 1050円  推薦したい本である。
(2008年4月21日発刊)NO.55
「一期一会(2)」
  人生は一期一会の連続だと思う。その中に縁が生まれ、縁によってさまざまな人間模様を織り成してくれる。縁を大切にしたいものである。坂村真民さんの詩が一期一会の深い意味を教えてくださる。
 
 一期一会
 
 思いかけない人との出会い
 思いもかけない人の手を握り
 一期一会の喜びと
 一期一会の悲しみをする
 時には人でなく
 木であったり
 石であったりもする
 そして時には人よりも
 木や石の方が
 もの言わぬだけに
 無限の感動を覚え
 涙のにじむことがある
 無常といい
 永遠といい
 命のやりとりのせつない尊さよ
(2008年4月14日発刊)NO.54
「ことばには力がある」
 「疲れた〜疲れた〜」と言っていると、いつも疲れている状態になる。「こんなことになったのは、だれそれのせいである」と言っていると、悪い事は全て人のせいにするようになる。「会社の経営状態が悪いのは、社会が悪い、政治が悪い」と経営環境のせいにすると、経営がますます悪くなる。「社員が悪い、だから駄目だ」と言っていると、良い社員が育たない。健康も同じで、あちこち多少ガタがきても「生きているのはお蔭様」とプラス思考で生きていると、健康寿命も伸びるのではないかと思う。「言霊の幸ふ国」と万葉集にも歌われていています。
「志貴島の日本(やまと)の国は事霊の佑(さき)はう国ぞ福(さき)くありとぞ」柿本人麻呂。また、新約聖書ヨハネによる福音書の冒頭に出てくる有名な言葉「言葉は神と共にあった、言葉は神であった、この言葉に命があった、そしてこの命は人の光であった」という文章が続きます。言葉の大切さは日本だけでなく、世界共通で、言葉は心までも動かし、体も変える力がると思います。
いい言葉を使う人には、いい言葉を話す人が集まる。それは、ゴルフの好きな人には、ゴルフ好きの人があつまる。音楽の好きな人には、音楽の好きのひとが集まるのと同じだと思います。元気な言葉を使うと元気になる。人は思いひとつで幸せになれる。言葉の力を信じて。
(2008年4月7日発刊)NO.53
「これからの医療に思う」
 医師の確保ができない、看護師の確保ができない、患者さんのたらいまわし、医療崩壊が進行しているとマスコミなどで大きく報じられており、お先真っ暗の状態にみえる。しかし、労働条件の厳しい中、各医療機関は、患者さんのことを第一に考え、何とかしたいと頑張っている。
 研修医師制度が始まって以来、医局制度が機能しなくなり、医師の偏在はどうにもしかたがない。ようやく国も重い腰を上げ、医師不足に対し医学部の定員増に踏み切り、マスコミもやっと医療現場の過酷な職場環境に目を向けてくれるようになってきた。今の混乱の中、官民協力して少しでもよき方向になってほしいと願っている。
 それぞれの医療機関(公私)が特色を持って、診療所、病院、老健施設、療養病床、回復期リハビリテーション病院、福祉施設、在宅療養など他との連携をしていくことがますます重要になってきている。しかし、現在の一番の問題は、急性期医療にマンパワーが極端に少ないことである(欧米の4分の1)。医療福祉の質を向上させるためには、それに見合った財源の確保が必要である。また、終末期医療をどうするか、重い問題であるが、国民全体が考える時期にきている。
(2008年3月31日発刊)NO.52
「仕事を離れて」
  この週末、家族で小旅行にいく。湯原温泉の宿(油屋)の窓から、山峡に川の流れや、ダム直下にある全国一という岩風呂が眺められた。桜の無数の蕾が咲こうとしている姿をみることができた。新庄村の凱旋桜も蕾の桜、きっと来週の土日は見頃だろう。まだ、山々に残雪が残っているが、新緑の芽吹きもみられた。帰路に真庭郡蒜山「ログペンション森の散歩」をお訪ねして、オーナー(川戸仁美)のご好意でご家族と食事をご一緒し、楽しい自然に囲まれた一日を過ごした。
自然の中に包まれ、ゆったりとした気分になることができた。もうすぐ爛漫の春ですね。
   
「花」
 何が一番いいか
 花が一番いい
 花のどこがいいか
 信じて咲くのがいい
           「真民」
(2008年3月24日発刊)NO.51
「経営指針の発表会」
   当院では1990年から毎年、経営指針の発表会を行っている。経営指針は、経営理念、年度の経営方針と経営計画の3つを総称している。3月27日に2008年度経営指針発表会が行われ、全員参加のもと、経理の公開と各部署から単年度計画を発表する。私にとっては毎年、楽しみでもあり、責任を痛感する場でもある。「職場は貴方の晴れ舞台」となるように、舞台づくりのお手伝いをするのが経営者の「役目」だと思う。経営理念に一歩でも近づいていきたい。
(2008年3月17日発刊)NO.50
「自分がして欲しくない事は自分も人にしてはならない」
  人間が生きていくうえで、自分が他人にして欲しくないことを人にしてはならない。 これは、人が人間として生きていくゴールデンルールです。私たちが働いている職場においても、お互いが気持ち良く仕事をしていけるように、他人の嫌がることを強要してはならないと思います。人と人との係わり合いの中で快適な生活環境をつくっていくため、共に育ちあっていく社会でなければなりません。ゴールデンルールは自ら率先していかねばと自戒しています。
参考文献 1)「女性の品格」 坂東真理子著  PHP新書
(2008年3月10日発刊)NO.49
「中国からの留学医師の帰国に思う」
  中国の医師で留学生の張先生を岡山大学神経内科の要請で約3年半、当院に週1日来ていただき、医療以外の仕事をしていただいた。留学医師は日本で診療ができないため、経済的には苦労されていて、多少のお役に立てたかと思う。仕事は、通訳や図書の整理、行事のお手伝いであったが、職員に溶け込んで、職員にとってもよき出会いであったと思う。博士論文を取得され、帰国して臨床の仕事に復帰するとのことである。日本と中国の架け橋の一人となられることを願っている。
中国産ギョウザ問題など、中国と日本では時として国同士の軋轢が起こるが、人間としてお互いに交流することで、国境を越えた信頼関係を高めていくものと思う。留学生を暖かく迎えたいものである。
(2008年3月3日発刊)NO.48
「アートと癒しについて」
 「アートと癒し」をメインテーマに、第8回癒しの環境研究会全国大会が3月1日〜2日に秋田市で開かれた。会長は外旭川病院院長 穂積恒先生で、医療福祉の分野にアート空間を取り入れ患者さんのQOLを高める活動を20年以上も続けてこられている。アートの力を先進的に取り入れ、病院を美術館と一体的に構築しようとの計画である。秋田駅のアーケード通りに展示されている草間弥生氏の作品であるパンプキンは高さ5mもある大作であり、多くの人を惹きつけていた。穂積先生は草間弥生作品の収集では日本一である。
私も病院はアートスペースを取り入れることが職員の癒しであり、同時に患者様にも癒しの作用があるものと考えている。心を癒すには、心と心のふれあいが一番であるが、音楽、絵画、料理、アロマ、庭園、緑の木々、生け花、美しい景色全てのアートとの出会いも大切であると思う。旭東病院も地域のアーティスト(絵画や音楽)とコラボレーションし、癒しの空間を創造していきたいと考えている。
(2008年2月25日発刊)NO.47
「傾聴について」
 傾聴することの大切さは多くの方は知っています。しかし、傾聴するといって、すぐ話の途中で介入したくなります。相談があるときや悩みがあるとき、多くの場合、傾聴してもらうことによって自分で答えを導くのだといいます。しかし、傾聴する側が答えを出してしまいがちです。
神戸大学発達科学部教授の広木克行先生は、ただひたすら聞くことの大切さについて「その人の気持ちを聴きとることなのだと少しずつ分かってきました。話す人が今どんな思いでいるか、寄り添って共感することに尽きるようです。厳しい状況にある時はその話しを聴いても何の手助けにならないつらさを味わいます。でも、話した人から『少しホットしました』と言われると、役に立ったことがうれしくなります。」と著書に書かれています。 
参考文献 広木克行編著「ありのままでいいんだよ」北水
(2008年2月18日発刊)NO.46
「医療におけるマンパワー問題」
 日本の病院では、マンパワー不足であることが、安全・安心の医療サービスが充実しない最大の問題であると思います。米国・EUの病院に比して、4分の1から5分の1のマンパワーで医療を行っているのが現状です。しかし、多くの人はそんな現状を知りません。岡山県では大学病院や総合病院でも、職員の数は1ベッドあたり2名が精一杯です(500床の病院で1000名)。それは、診療報酬による収益がそれ以上の経営を許さないからです。当院は病床数162床で、常勤医師27名、常勤職員は約350名で、マンパワーとしては多い数といえます。看護師も7:1看護(7名の患者様に対して1名の看護師配置)をクリアしており、少ないほうではありません。しかし、患者様の重症度、救急患者の受け入れなどを考慮すると、決して満足できる人数ではありません。ただ、人を増やせばそれだけ人件費率は増大します。病院にも生産的使命、社会的使命を果たすことによって、経済的使命(利益を上げること・福利厚生・教育費用・給与・賞与の財源・再投資)を果たすことが大切です。私は、職員の中に経営理念を浸透させ、質の良い医療サービスを提供し地域から支持される病院にしてまいりたいと念願しています。
お願い:当院に受診されるときに紹介状を持参していただければ幸いです。
(2008年2月11日発刊)NO.45
「経営理念について」
 病院は、病気を癒すところです。私たちの病院にも経営理念があり、研修や日常の仕事の中で浸透させています。しかし、患者様からのお叱りなどで、「経営理念にうたっているような医療サービスはできていない」とご指摘を頂くことがあり、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。しかし、理念は目的で、それに向かって歩む過程が重要であると思っています。また、理念は「坂の上の雲」であり、到達することはかないませんが、今後も全職員と共に必死で理念に向かって前進していきたいと念じています。
当院では毎年、全職員参加の下、理念に向けての計画を立案し、経営指針として実践しています。
(2008年2月4日発刊)NO.44
「病院でのコンサート」
 当院では、毎月1回から2回のミニコンサートを開催している。ボランティアで参加してくださるプロやアマチュアの音楽家の方々から、素晴らしい音楽を演奏していただき感謝しています。コンサートのあと、患者さんからは「癒されて元気を取り戻す」という話よく聞きます。
ある日、友人から宮沢賢治の「セロ(チェロ)弾きのゴーシュ」の本を頂きました。その中の一節にこんなことが書かれています。『ゴーシュはびっくりして叫びました。「何だと、ぼくがセロを弾けばみみずくや兎の病気がなおると。どういうわけだ。それは。」野ねずみは眼を片手でこすりこすり云いました。「はい、ここらのものは病気になるとみんな先生のおうちの床下にはいって療すのでございます。」「すると療るのか。」「はい。からだ中とても血のまわりがよくなって大へんいい気持ちですぐ療る方もあればうちへ帰ってから療る方もあります。」』
ゴーシュが親の野ねずみの求めに応じて子ねずみをゴーシュのセロの中へ入れて弾くと子ねずみは元気になります。音楽を聴いて癒される。音楽が病を癒す働きがあることを宮沢賢治は童話を通じ私達に語りかけていると思うのです。
(2008年1月28日発刊)NO.43
「凡事徹底」
 鍵山秀三郎氏はイエローハットの創業者です。トイレ掃除をする。ゴミを拾う。そのような誰にでもできることを続けていくことの大切さを自ら示された偉大な方です。
鍵山さんは「どんなことでもこつこつとやり続けることが大切であり、10年偉大なり、20年恐るべし、30年歴史となる。」とおっしゃっています。
日々、たとえ凡事であっても手抜きをしないでやっていきたいと思います。
(2008年1月21日発刊)NO.42
「一寸先は光だ」
  世の中のことは「一寸先は闇だ」とよく言われます。何が起こるかもしれない不安が常にあるからだと思います。お釈迦様は生老病死について、私たちに良く生き、老いて、病み、そして良く死ぬることを教えて下さったのでしょうか。私は、一寸先は「闇」でなく、「光」だと思って、闇の中を飛ぶ鳥のように生きてゆきたい。
「鳥は飛ばねばならぬ」       「真民」詩
    鳥は飛ばねばならぬ
    人は生きねばならぬ
    怒涛の海を
    飛びゆく鳥のように
    混沌の世を
    生きねばならぬ
    鳥は本能的に
    暗黒を突破すれば
    光明の島に着くことを知っている
    そのような人も
    一寸先は闇ではなく
    光であることを知らねばならぬ
    新しい年を迎えた日の朝
    わたしに与えられた命題
    鳥は飛ばねばならぬ
    人は生きねばならぬ
 
      詩集 「念ずれば花ひらく」 坂村真民著  サンマーク出版
(2008年1月14日発刊)NO.41
「中小企業と病院のかかわり」
 私たち医療に携わっているものには、中小企業がどんなものか知らない人が多いのではないかと思います。私が経営の勉強の為「中小企業家同友会」に入会して、もう19年になります。当院の「経営指針書」は同友会から学んだものです。私は同友会の代表という大それた役を長くさせていただいた御蔭で、中小企業の大切さを肌身にしみて知ることになりました。
日本の会社の99%は中小企業であり、働く人の80%は中小企業に勤務しています。日経新聞などを見ると、大企業の記事が多いため、大企業によって世の中が動いているような錯覚に陥りますが、EU(ヨーロッパ連合)では中小企業こそが、@ビジネスアイディアの宝庫 であり、A雇用の源泉 と高らかに中小企業憲章の中で謳っており、中小企業省があるほどです。日本では、中小企業の会社は、地域経済の担い手であるにもかかわらず、大企業の下請けや大企業に比して魅力がないように思われています。でも、これからの時代は、地域経済は中小企業が担っていかねばならないと思います。
その中にあって病院は、地域に密着した地場産業としてしっかり国民の健康を守っていきたいものです。
(2008年1月7日発刊)NO.40
「すぐすれば すぐできる」
 「すぐすれば すぐできる」は、森岡まさ子氏(こそ丸の記事で紹介、97歳の広島県府中市矢野にあるユースホステル(MG)創業者)に教わった言葉です。彼女は頼まれたことはすぐに実行します。超多忙なユースホステルの経営の中で学んだ知恵だと思います。昨年9月27日に当院で講演していただいたとき、この言葉に私はとても感銘を受けました。なにしろ97歳のご婦人ですから。私は日常生活の中で、仕事の段取り、人との約束など、日にち延ばしにして、しなければならないことが溜まり、結局大切なことができずに不義理し、後悔することが多くあります。無論、事によっては時間をかけてじっくり結論をだすことも必要です。しかし、多くのことがらは「すぐすれば すぐすむ」ことです。
内臓脂肪蓄積(腹囲男性85cm女性90cm以上)、高血圧、高脂血症、糖尿病などの合併症をメタボリック症候群と言いますが、これは食生活、運動不足、喫煙など長年に渡る日々の習慣による生活習慣病だといわれています。今年の4月からメタボリック症候群軽減に向け、全国的に予防運動が始まります。「すぐすれば、すぐできない」も生活習慣病ではないでしょうか。「すぐすれば、すぐできる」を習慣にすれば、出来ない症候群を予防できるのではないかと思います。
私は日々の仕事、自分の計画、「すぐすれば、すぐできる」を座右の銘にして、新春のスタートにしたいと決意を新たにしています。
(2007年12月25日発刊)NO.39
「腹8分目で三度の食事」
 食は、人間にとって最も大切なものです。バランスのとれた三度の食事が大切です。海外では、日本食ブームが続いています。西欧式の食事は、コレステロールが溜まりやすく、確かに魚や野菜を中心とした日本食がお勧めです。また、最近異常なほどの健康補助食品ブームでもありますが、それよりも毎日の食事に留意したほうがいいと思います。     
 食事は少なめが健康にも脳の活性化にもよいというデータがあります。お腹が満腹になると頭がぼ〜として眠たくなる。一方、お腹が減ると頭が冴えてくる。誰でも経験することですが、最近それが実際に物質レベルで証明されました。グレリン(Ghrelin)というホルモンです。空腹時に胃から血液中に放出され、視床下部で食欲増進作用をもたらすことが知られていましたが、脳やその他の場所での機能はよく知られていませんでした。マウスの実験で、このグレリンが海馬の神経回路を発達させて学習や記憶を増進する作用が発見されました。「ハングリー精神」が立証されたのではないでしょうか。腹八分目で食事は控えめに。
(2007年12月17日発刊)NO.38
「メタボからの生還」
 メタボリック症候群の診断基準が2005年4月に作られました。臍の高さで腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合、この条件に次の3症状のうち2つ以上該当したとき、メタボリック症候群と診断されます。
@中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満のいずれかまたは両方。
A血圧が上で130mmHg以上、下で85mmHg以上のいずれか、または両方。
B空腹時血糖が110mg/dl以上(日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会など8学会の合同公表した「メタボリック症候群の診断基準」より)
 40歳以上では4人に1人はメタボだと推測されています。これらは動脈硬化を進行させ、脳梗塞・心筋梗塞などの予備軍といわれています。私もメタボです。食事と運動によって克服することが、来年度の大目標です。特定健診、特定保健指導は国家事業です。このチャンスに、早寝、早起き、三度の食事、笑顔で、すぐやる、怒らない、それから暴飲暴食、タバコ、アルコールの過度な摂取をやめると心がけていけば光明が見えてくると信じています。メタボの方は共にメタボからの生還を期しましょう。
(2007年12月10日発刊)NO.37
「心は体を癒し、アートは心を癒す」
  心は体を動かし、また体を癒す役目があります。この心を癒してくれるのは、第一に、心から心へ伝える優しいことば、優しい態度だと思います。また、心を慰めてくれるものに絵画や音楽、花や美しい庭園があります。料理なども味覚を通して心を癒し悦ばせてくれます。鳥の声、空を流れる雲、心地よい風、山並み、川の流れ、水の音、緑や紅葉した木々なども心を癒す自然のアートだと感じることができます。小動物の猫や犬などのペットも人の心を癒してくれます。心を癒すことは、体の病にも癒しの効果があります。
 病院にとっては、高度な診断機器や医療技術は病気を治療するためには欠かせないものですが、同時に心と体の病を癒すことができるようアートと医療を癒合し、心を癒し、病を癒していきたいものです。
(2007年12月3日発刊)NO.36
「吾唯足知(ワレタダタルヲシル)」
 これは、世界遺産登録されている石庭で有名な京都「龍安寺」の方丈の北東に据えてあるつくばいに彫ってある禅の格言です。ライオンはお腹がいっぱいになるとごろんとよこになり、そばを鹿が横切っても見向きもしないと言います。人間は、あるものが満たされると、もっともっとと要求します。人間の欲には際限がありません。足るを知ることが大切だと思います。地球の温暖化など地球環境も人間の足るを知ることから考えねばならないのではと思います。
「昔おもう、百そうばいの上のこと、かのうてみてもまだ不足あり」 黒住宗忠
これは、岡山の神道山に本部のある黒住教の教祖の和歌である。徳川家康の遺訓の中にも、「及ばざるは過ぎたるよりまされり」とあります。何事も、満足と感謝の念をもって生きてゆきたいものです。
(2007年11月26日発刊)NO.35
「対話」
 人間は一人では生きていけない。人と人、人と物、人と自然、私たちは見えないものによって生かされている。自己(自分)には2つある。1つは、他人に代わってもらえない自分(トイレに行く、食事をする、病気、命)。もう1つは、出来上がって行く自分(be coming)。人と対話をする、花を見る。私たちは、血縁関係(家内、身内)、社会にでれば社会的な縁(社会縁)など、日々新たな出会いによって自分が出来あがっていく。
他人様には指一本ふれてもらえない肉の塊の自分と、日々新たなる自分がある。私たちは一瞬一瞬の出会い、体験で出来あがっていくものである。対話をよくすることは、言葉を代えれば、他から輸入してくる、他人の身になって聴く、そうした経験によって人は大きくなっていくものである。対話の大切さ、人と人のコミュニケーションの大切さ、ひとりひとりが認識して実践していくことが私たちのコミュニティーを善くしていくことになるのだと思います。
参考:「11月1日(水)、大坂で開かれた国際永久平和祈念祭典(日蓮宗、竹内日祥上人総監督)での花園大学前学長 西村恵信師による記念講演「対話」がもたらす信頼の絆〜今、親子、夫婦の絆が危機にさらされている〜の講演から」
(2007年11月19日発刊)NO.34
「医療福祉への予算を増やして!!」
 日本の皆医療保険制度は昭和36年に始まり、現在では経費の30%を個人負担すれば、あとは保険で賄ってくれている。また、入院などして高額(約7万円以上)医療費がかかると、一度支払ったあとで償還してくれる。いつでも、どこでも、だれでも診療がうけられるシステムとなっており、その結果、WHOでは世界で最も優れた医療制度であると評価されてきた。しかし、高齢社会を迎え、財政の視点で医療費の抑制政策が取られ(平成18年度)3.16%の診療報酬の減額によって、病院の経営は厳しくなり、赤字病院が半数以上という現状を迎えた。
国の安定には、1)医療 2)治安 3)教育 の充実が必要で、国民の共通財産です。病院や福祉施設は地場産業であり、雇用の源泉であり、新しいビジネスを産む産業であると思います。医療や福祉への財源の投入をぜひお願いしたい。医療難民や介護難民の救済のためにも。
(2007年11月12日発刊)NO.33
「一期一会」
 世界的ピアニスト ルース・スレンチェスカさん(82歳、米ニューヨーク在住)は、偶然知り合った歯科医師三船文彰さんの招きで、岡山とのご縁が生まれ2005年1月30日に引退公演をされている。三船さんは「ルース先生は音楽を超えた教養やエレガンス、脈々と続く西洋的技術、文化の体現者」と言う。岡山県真庭市にある、NHK大河ドラマ「宮本武蔵」でも全国に知られた醍醐桜にルースさんを案内した時「ああ、ここでピアノが弾けたら〜〜」のため息を三船さんは聞き逃さず、2007年の春、その夢をかなえた。醍醐桜への奉納演奏は、三船さんの熱意と地元の不可能を可能にした人々の協力によって実現できたのである。演奏前夜、暗闇に浮かぶ満開の桜を背に歓迎会がひらかれた。心のこもったサワラの煮付け、草もちなどが並び、この夜はじめて顔をあわせた同士。「一期一会」に掛けることができた訳をルースさんは知っていた。「地域の人たちは桜の美に魅せられて、千年もの間、桜をお世話してきた。私は音楽の美に魅了され、八十年近くピアノの音色を育てている。二つは全く同じこと。心が響きあって当然なのよ」この日のピアノは、クララ・シューマン(1819〜1896)が愛用していたものを三船さんが譲り受け修復して、奉納演奏に間に合わせたという。蝶が飛び交い、鳥の鳴き声が響くうららかな昼、ブラームスが最後に会ったときクララが弾いていたというブラームスの「ロマンス」が鳴り響いた。
 一期一会、人間の出会いの不思議さ、素晴らしさを感じる。実際にあったことであり、私は、ルースさんに関する新聞の切抜きを送ってくださった友人と、三船先生に心から感謝している。
(2007年11月5日発刊)NO.32
「旅立ちへの別れのことば」ヤヌシュ・コルチャック
  コルチャック先生は、ポーランドのユダヤ人医者であり、有名な教育家でもあり、両親のない子ども達を預かった孤児院を経営していましたが、1943年にナチス人撲滅作戦が起こり、彼はゲットーのなかに収容され、ユダヤ人の孤児200名と一緒にゲットーからさらに強制収容所に移されました。 孤児院は、14歳になると去り、人生の荒波に出て行かなければなりません。その発っていく子ども達のために贈る言葉が残されているのです。 ・・・・・・私たちは君たちに、神を与えることはできない。神は君たち一人ひとりが、自分の魂の中に、捜し求めるよう努めなければならないからである。私たちは、君たちに、祖国を与えることはできない。人間の愛は、寛大さなくしてはありえない。許すということは、容易なことではない。君たちは、自分自身で寛大であるように努めなければならない。しかし、私たちは君たちに、“一つ”だけ与えることができる。より良き人生への、まことの、正しい人生への“あこがれ”を贈ることができる。恐らく、その“あこがれ”が君たちを、神へ、祖国へ、愛へと導くであろう。このことを忘れないように。さようなら。 (近藤一郎著 「コルチャック先生」朝日文庫、より)
教育基本法の中に「よりよき人生への、まことの正しい人生」への “あこがれ”の対象があることを思い起こしたいと思うのです。 参考文献:大田尭著「わたしたちの教育基本法」
私たちは、憲法や教育基本法、身近ではマニュアルなど、金科玉条にするのでなく、魂を入れるのはひとりひとりの良心によるほかないと大田尭先生は著書に書いておられます。よりよい人生への“あこがれ”を、与えられる人に向かって歩みたいですね。
(2007年10月29日発刊)NO.31
「かけがえのない命」
 岡山市医師会創立60年(10月28日)の記念講演で岡山市にある重症心身障害施設「旭川荘」の名誉理事長である、江草安彦先生のお話を拝聴した。生まれつき体が不自由である、考える力の障害が重いといった重症心身障害児が岡山県に400人いる。発症率は1000人に1人であり、岡山市では2万人の赤ちゃんが生まれているから、20人は重症な障害をもって生まれてくる。決して“親が悪いことをしたから生まれた”ということではない。
 赤ちゃんが生まれると“這えば立て、立てば歩めの親心”とゆうが、障害児にとっては、歩くのに4年も6年もかかる。人間の価値というのは、スピードでも力でもない。“かけがえのない命である“とお話された。
 障害児が人間らしく生きるために、尊い仕事をされている人がいることを、思いを致し、謙虚に生活を振り返ってみることが大切であると考えさせられた。
(2007年10月22日発刊)NO.30
「地域文化とともに歩む病院」
 病院の医療サービスの本質は正確な診断と適切な治療であります。医師や看護師、薬剤師や多くのコメディカルスタッフがいて、医療機器が充実していればいいのか。決して十分ではないと思います。京都大学名誉教授 池上惇先生の文化経済学という視点で考えれば、医療サービスも広く考えれば文化に求めるものがあると思います。病院の中に、自然が与えてくれたもの、人がつくりあげてきたもの、地域文化を取り入れた療養環境を創っていくことも患者さまを癒す助けになるのではないかと考えています。
(2007年10月15日発刊)NO.29
「命あるもの、良いもの、美しいもの、一生懸命つくっています」
 岡山県の誇る「肢体不自由児施設」社会福祉法人「旭川荘」の理事の一人として、理事会に参加させていただいています。10月10日の理事会の後には、素晴らしい施設を見学させていただきました。故川崎祐宣先生の蒔いた一粒の種が今、大きく育ち、医学界、財界、宗教界の協力のもと、岡山県の誇る施設となっています。旭川荘の荘歌ともいうべき「ゆずり葉」(作詞 河井酔茗)の詩の中に、親が子供に向かって、「みんなお前たちにゆずってゆくために、いのちあるもの、よいもの、美しいものを一生懸命につくっています」と呼びかける一節があります。この詩のように、旭川荘は「命あるもの、良いもの、美しいもの」を今の人に伝え、そして次に来る人に伝えるため、一生懸命よりよいサービスの提供、運営に努めて今日があります。(江草安彦名誉理事長、末光 茂理事長の挨拶の一部を旭川荘のホームページより転載)私たちの病院も、今の人に、次に来る人のために、経営理念を追求していきたいと思います。

川崎祐宣先生:岡山県名誉県民、岡山県の地域医療のさきがけ、川崎学園や社会医療法人旭川荘の創設者、92歳で逝去(平成8年6月2日)当院の財団操風会の理事を終生務めていただきました。
(2007年10月08日発刊)NO.28
「清、負けたらあかん」
 10月2日(火)に大阪帝国ホテルで行われた焼肉チェーン「五苑」の川辺清社長創業45周年の式典・祝宴に一友人として出席させていただいた。飲食関係の財界人など500名もの参加者で、川辺社長の人柄と人望だなと思った。川辺さんは岡山県津山市で中学卒業までを過され、靴職人として修行、極貧の中から、靴屋で活躍された後、飲食業界に転職。現在、焼肉の五苑を始めとするマルシングループの総師であり、大阪財界の立志伝中の一人である。
著書「清、負けたらあかん」は極貧の苦しい時代の物語です。靴職人になる修行の時期に肺結核となり、津山の結核療養所で療養をするために津山に帰ったとき、病と極貧の苦しさで列車に飛び込んだことがあるそうです。清少年は「おめ〜みて〜なものは死ぬのがいいんや!」と叫んだ。そこへSLがくる。ふらっとして、列車に飛び込んだ。しかし、清少年は草むらに横たわっていた。その時、列車の線路には五円玉が落ちていた。清少年は「貧乏なんかに負けん!小児マヒにも負けん!強く生きるんや!」とその五円玉を身代わりと思って、肌身離さず持っているという。焼肉屋五苑の名の由来でもある。本の帯に「一人の少年がいた。貧しくて焼肉なんか食べられなかった。ある時、人の情で焼肉を食べさせていただいた。そのとき世の中にこんなうまいもんがあるのかと驚き感動した。そして幾星霜あんなうまいもんを多くの人に食べていただこうと思って作った焼肉屋です。うまかったらほめてやって下さい。」と書いてあった。川辺さんは、「私は本当に幸せやな〜」といつもおっしゃいます。自分が幸せでないと人に優しくなりませんね。こつこつと努力した積み重ねで今日があると思った。
   参考文献 「清、負けたらあかん」川辺清著 致知出版社
(2007年10月01日発刊)NO.27
「すぐすれば すぐできる」
   先週、当院で行われた講演会に来て下さった森岡まさ子さんの言葉である。自分の計画、仕事の段取り、人との約束など、日にち延ばしにしていると、しなければならなかったことが溜まって、結局大切なことができず、後悔することが多い。森岡まさ子さんは、「すぐすれば、すぐできる」が生活習慣になっていて、頼んだことは即座に判断してくださる。   日々の仕事、自分の計画、「すぐすれば、すぐできる」を座右の銘にして、今日も生きていきたいものである。
(2007年9月25日発刊)NO.26
「出会いは永遠の薫」
  9月27日(木)に森岡まさ子さんの「出会いは永遠の薫」の碑の除幕式をカフェ赤い鼻で行います。また、職員対象に講演会も開催します。森岡さんは、1910年生まれ(97歳)広島県上下町(現在府中市)矢野温泉の近くで、「民間ユースホステル」を設立、多くの若者を魅了し、30万人を越える人達が、森岡ママと敬愛する。私もご縁を頂き、今日があります。ママは「人には多くの出会いがありますがが、その縁を大切にしないと宝にはならない」といいます。 出会いを大切にしていきたいものです。
参考: 森岡まさ子著 「森岡ママは今日も笑顔で丘の上」〜97歳の青春を生きる〜 講談社
(2007年9月18日発刊)NO.25
「幸せの方法」
 夏休みにタイを訪ねました。タイの本屋さんに日本語訳の「タイ仏教の教え」の本があり手にとってみました。その本には、「幸せの方法」1)共同体の幸せ:会社や病院などの共同体でお互いが助けあって生きることの幸せ。 2)働く幸せ:人が働く時は、自分のしていることに集中でき、心は注意深く目覚め、こだわりからも開放される。 3)傷つかない幸せ:お互いに傷つけあわない。 4)幸せの知恵:知恵を得ることは、問題を解決します。 5)平和なしあわせ:仏陀は「不幸は平和でないから起きる」と言っている。もしあなたが、何かを変えたいと望むなら、あなたの望んでいることを止め、あなたの考えを変えなさい。あなたの考えが雑念から開放されたとき、なんでもうまくいくでしょう。あなたはどこにいても平和で幸せな生活ができます。(プラマハチャニア。スチャイヤノ博士)
(2007年9月10日発刊)NO.24
「“喜びの種”を蒔こう」
 私が毎週月曜日に職員へ向けて発行しているひとり新聞の題字は「喜びの種」ですがこれは、日本のペスタロッチといわれた東井義夫先生の詩「喜びの種をまこう、ご縁のあるところにいっぱいに」から取ったものです。
 9月9日(日)当院のパッチ・アダムスホールで、おかやまあかいはな道化教室が開かれました。愛や笑いやユーモアの大切さをどのようにして伝えていくかを学ぶ教室です。講師 塚原成幸氏の軽妙な指導で、私にとっては久しぶりのワークショップでしたが、笑いに包まれ、気持ち良い汗をかきました。愛と笑いとユーモアはつまるところ、コミュニケーションの最も深い底流にあるものだと思います。お互いに、相手のことを思い、愛と笑いとユーモアをもって接して行くことが、人間関係を豊かにしていくものではないかと思います。喜びの種とは、愛であり、笑いであり、ユーモアなのだと思います。これからも、身近なところから「喜びの種」の種まきをしていきたいと思います。

塚原成幸氏は現在日本クリニクラウン協会の事務局長を務めています。
東井義雄(1912〜1991)
明治45年4月9日、兵庫県豊岡市但東町佐々木に生まれる。小学校教師として村を育てる教育を実践。ペスタロッチ賞、平和文化賞、小砂丘忠義賞、文部省教育功労賞受賞。
(2007年9月03日発刊)NO.23
「経営理念で病院の経営はできるか。」
 私は経営理念を目的にして、職員と共に達成したいと念じてまいりました。理念を追求することで、社会からのご褒美として、利潤がいただけると信じています。勿論、医療法の改正、診療報酬の改訂など、経営を直撃する、大きな変革がやってまいります。しかし、どんな情況になろうとも、理念を徹底的に追求することが、激変の時代を乗り切る最も大切なことであると考えています。
 最近起こっている「賞味期限の虚偽」など企業の不祥事は「経営理念」を実践していなかったことに起因します。病院経営にとっても経営理念を目的に、社会的信用を失墜しないように職員と共に歩み続けていきたいと思います。
 
経営理念 1)安心して、生命をゆだねられる病院
2)快適な、人間味のある温かい医療と療養環境を備えた病院
3)他の医療機関・福祉施設と共に良い医療を支える病院
4)職員ひとりひとりが幸せで、やりがいのある病院
(2007年8月20日発刊)NO.22
「はらぺこあおむむし」と学ぶということ
 あおむしは、広い葉っぱの上に白い一粒の卵として生み出されます。卵は太陽の光を浴びて、ある朝小さな毛虫になるのです。あおむしはパクパク葉っぱを食べ続け、めきめき大きくなり、やがて「さなぎ」に変身します。そして繭に閉じこもっていますが、ある日繭を食い破って、突然に色鮮やかな美しい蝶に変身して輝くのです。
あらゆる生き物は、自ら変わる力、自己創出力をもっています。太田尭先生の言葉をお借りすると、「学習権は、まず生き物のこうした自己創出力という自然の摂理に深く根ざすものなのです。教育は、この一人ひとりのかけがえのない自己創出力を介添えする、外部からの助成の営みであります」これは子育てのことを言っているようですが、実は、学校教育、会社や病院での社員教育の大切なところであると思います。一人ひとりの人間が、「はらぺこあおむし」のように大きく美しく変身して頂きたいものです。 

参考文献
〔1〕エリック・カール著 もりひさし訳「はらぺこあおむし」 偕成社
〔2〕太田尭著 [はらぺこあおむし]と学習権 一ツ橋書房
(2007年8月13日発刊)NO.21
「やる気になるとは」
 私の尊敬する東京大学教育学部名誉教授 大田堯先生が東大付属中学校の校長のとき、「人間は何故歩くようになったのか」という学生(中学生)の問いに即答できず、次の授業までに調べてくるといって教室を後にし、先生はよくよく考え、調べてもわからなかった。いよいよ1週間後の授業となり、先生が「わからないよ」と言おうと思った瞬間、「やる気になったのでは」との言葉がでて、それを聞いた学生が「人間はやるきになったのだな〜」と共感を得たのだという。私は、人はやる気になって歩きだしたのだと思うと同時に、共感することによって納得できることを教えられた。どんな仕事でも、趣味でも、やる気が人を前進させるのだと思う。また、周囲の人の共感によって、さらに人をやる気にさせるのだと思う。
参考:「生命のきずな」 大田堯著  偕成社
(2007年8月6日発刊)NO.20
「患者様のクレーム」
 当院では、入院患者様からの退院時アンケート、患者様の声(外来・入院患者様からの声)、外来には院長宛直通ハガキを設置、また、不定期ですが外来アンケートを実施し、利用者の声を聞いています。患者様からのクレームに対しては、その問題を解決するよう努力していますが、なかなかクレームが絶えることはありません。もちろん、私たちの対応が明らかに間違っていることもあります。しかし、中にはクレームのためのクレームというものもあり難渋することもあります。
クレームへ対する改善、危機管理など病院あげて対応していくことが、病院改善につながって行くものと思います。クレームを指摘してくださる方は医療サービス改善の先生とも言えます。
参考:退院時アンケートの結果はホームページに掲載
(2007年7月30日発刊)NO.19
「医療と教育は社会的共通財産」
 経済学者で文化勲章受章者 宇沢弘文先生の言葉をお借りすると『市場原理主義は簡単にいってしまうと、儲けることを人生の最大の目的として、倫理的、社会的、人間的な営みを軽んずる生き様を良しとする考えである。市場原理主義はアメリカにおこった。そして、グローバリズムの旗印を掲げ、改革の名の下に、チリ、アルゼンチンに始まって、世界の数多くに輸出され、格差の拡大、社会の非倫理性、社会的紐帯の解体、文化の俗悪化、そして人間的関係自体の崩壊をもたらしてきた。』
私は医療もそのような流れにあるように思われてなりません。宇沢先生は医療と教育は国家のもっとも大切な社会的共通財産であるとも主張されています。古代ローマ、ユリウス・カエサルは教養科目を教える教師と、医療に従事する医師の全員にローマ市民権を与えると決めこのことは教育と医療の水準の向上に役立ち、人間社会での重要さを歴史上初めて公式に認めている。世界に誇れる国民皆保険に基づく日本の医療制度のよきものは社会的共通財産として継続・発展させていきたいものです。そのためにも市場原理主義的な医療政策はとるべきではないと思うのですが。
参考文献:@ 塩野七生著 ローマ人の物語12巻 より
(2007年7月23日発刊)NO.18
「夢はかなう いきているから」
 先週の第10回取引業者様との懇談会で村上彩子さんのソプラノコンサートを開催いたしました。歌とトークの素敵なコンサートとなりました。
 彼女は大阪音楽大学に入学したが、卒業後実力のなさを感じ、声楽の道を断念、人材派遣会社(パソナ)に就職し、営業などの仕事をする中で、「自分で何か創造する活動がしたい」と再び声楽家を目指す意欲が目覚め、6年間勤務した派遣会社を辞めた。そして、東京芸大を志望し、毎日12時間働いて生活費を稼ぎ、歌のレッスンや譜面の書き取りに取り組んだ。しかし、試験に3度落ち、死のうと思ったこともあるという。そんな中、長野県上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」を訪れた。戦争のために「絵を描きたい」と願いながら死んでいった学生の無念を思うとき「4年の浪人生活で死にたいと思った自分が恥ずかしい。」村上さんは、彼らに変わって、精一杯音楽の道に一生を掛けようと誓った。そして、2003年の春、見事合格を果たした。この春卒業してプロの道を歩みだしたところである。
 当日は、当院のパッチ・アダムスホールにて140名を越えるお客様の前で、素晴らしい歌声を聞かせてくださいました。プログラムは、「濱千鳥」「夏は来ぬ」「ふるさと」などの日本の懐かしい歌、自分の人生を歌にこめた「約束」や、「アベマリア」「アメージンググレイス」などを披露してくださいました。生きているから、夢をかなえることができる。一人一人の胸に感動を引き起こしてくれたと思います。私も、経営理念という夢にもむかって、職員の皆と共に、一歩一歩前進していきたい!と思いました。
追記:村上彩子氏については初めて会ったとき感動して「院長の一言」NO.1号で紹介しています。
(2007年7月17日発刊)NO.17
「笑の効用」
  不安サイクル(私はだめな人、もう死んでしまいたい)などマイナス思考となると、心も体も緊張し病気になり、脳波でβ波が主体となり集中力がなくなり物事に失敗し、更に不安になる、こんなサイクルに落ち込むことになる。安心サイクルは(私は楽しい、未来はあかるい)などプラス思考になると、心も体もリラックスでき、元気になり、脳波ではアルファ波が主体となり潜在能力が引き出され、物事を成功に導く、うれしい、たのしい、ヤッター!!!になる。このように分かりやすく“ありがとうございます笑顔セラピーねっと”の大槻笑子先生は笑の効用を話してくださいました。プラス思考で、物事を考えることが、人間関係をよくして、家庭も職場環境もさらに良くしていくものと思います。笑顔でおはよう、笑顔でありがとう、笑顔でよろしく、笑顔でおねがい、笑顔でさようなら。当院で開催している赤い鼻道化教室の「塚原成幸氏」も「楽しいから笑うのでなく、笑うと楽しくなる」といっています。ギリシャの古代の病院では「笑いなさい、怒っちゃ駄目よ!」でしたね。
「職員研修での大槻笑子先生のお話から一部引用」
(2007年7月9日発刊)NO.16
「念ずれば花ひらく」
 念ずれば
 花ひらく
 苦しいとき
 母がいつも口にしていた
 このことばを
 わたしもいつのころからか
 となえるようになった
 そうしてそのたび
 わたしの花がふしぎと
 ひとつひとつ
 ひらいていった      坂村真民先生の詩
 
岡山旭東病院の庭園の一隅に『念ずれば花ひらく碑』を1991年に建立している。
愛媛県の砥部にあるお宅にお尋ねして『念ずれば花ひらく』の碑の書をお願いしたのが昨日のように思い出される。そのとき、「生きていても死んでいるような人がいるように、石にも死んでいる石と生きている石がある、生きた石に字を刻んでください。」と言われ、香川県庵治の石材屋を尋ね、「生きた石を下さい」とお願いしました。しかし「石には生きているとか死んでいるとかはないがな〜」と言われ、「それでは私が探します」と言い、いかにも生きているような石を見つけ、字を刻んでいただいた。
今まで、念ずることがひとつ、ひとつ花として開いてくれたように思う。これからも楽なことはないだろうが、「念ずれば花ひらく」を信じて努力していきたいと思う。
真民先生は2006年12月15日 97歳で逝去、お会いできなくなったけれど、飛天としてわたし達を見ていらっしゃると思う。
文献 : 詩集 念ずれば花ひらく  サンマーク出版
(2007年7月3日発刊)NO.15
万病に効く「こそ丸 (こそ〜がん)」について
 「こそ丸」は当院の売店で月に200個も出る人気商品です。名前の由来は“親があればこそ、嫁がおればこそ、妻がおればこそ、子どもがおればこそ、社員さんがおればこそ”の“こそ”です。「成分」は愛情、謙虚、感謝、元気(但し配合については企業秘密)「薬の効果」は不平不満が高じて頭痛や高血圧、そねみ、ねたみで気分がすぐれず、体調の不調なとき、ストレスで心が病んでいるとき、服用すると即効性があります。ただし、効果が持続しないのも特長です。
服用の仕方:まず、「こそ丸」を2〜3粒、コップいっぱいの水と一緒にのんで、すぐに心のチャンネルを変えることが大切です。(例)夫婦喧嘩のあと、夫は「妻がおれば“こそ”」と、心から唱えてください。効果が薄いときには1日何回、服用してもよろしい。注意:間違っても、「私が(または、わしが)おれば“こそ”」と唱えないでください。副作用:今のところ副作用情報はありません。 副作用らしきものがありましたら、当院薬局までご連絡ください。効き目に周囲が驚くことがありますので留意ください。また、この薬は目に見える人と見えない人があることを申し添えます(世の中で大切なものは目に見えないのです)。
注:広島県上下町に住む現在98歳のユースホステルのMGユース創業者 森岡まさ子さんの講演よりヒントを得たものです。特許は森岡ママです。
>> 「こそ丸」
(2007年6月25日発刊)NO.14
「経営理念を目的にした取り組み」
 経営理念に反した企業で起こる不祥事に毎度情けない思いをいたします。最近では雪印、不二家、ライブドアなどの大企業から、福祉介護事業の大手であるコムスン(株)等、経営理念に反した反社会的な運営をしていることが明るみにでて、会社存続が危ぶまれる事態が報道されています。
先日のミートホープ社が「豚肉」を使ったひき肉を「牛ミンチ」として出荷していたとの報道には、「食肉を通じて社会に貢献する」という経営理念は一体誰のものかと思いました。 
 他人事でなく、当院の経営理念もあるべき姿として、全職員で真摯に取り組んでいきたいと思います。
(2007年6月18日発刊)NO.13
「日本の医療制度」
 日本の医療制度は、どこでも、だれでも、いつでもアクセスできる素晴らしい制度です。しかし、高齢化の中で、心臓や脳の血管障害に起因する後遺障害を残して、病院や施設での療養を余儀なくされる人が増えてまいりました。また、癌発生率の増加、死亡者数ももちろん増えてまいりました。こうした患者さまには、人手がかかりお金も必要となります。今の状況で、医療・福祉への適正な財源の確保がなくなれば、国民皆保険制度は機能しなくなり、2極分化がますます進み、日本の医療を支えてきた中小病院の淘汰も始まります。
国民の多くが、医療制度や診療報酬にもっと積極的に関心をもって、どのようにしたらいいのか提言していただきたいと思います。
(2007年6月11日発刊)NO.12
「がけっぷちに立つ勇気を持て」
 「いのち育む女性の愛で地域とともに社員とともに」をメインテーマに6月6日.7日東京椿山荘で第12回女性経営者全国交流会が開催されました。700名を集めた会場は女性経営者の運営による熱気溢れたものでした。
 病院は、女性に支えられている職場と言って過言ではありません。女性の優しさ、困難に打ち勝っていくひたむきさを交流会の中で学ぶことができました。記念講演は老舗「銀座テーラー」を再建された3代目女社長 鰐淵恵美子氏の講演でした。専業主婦から、倒産寸前の会社を引き受け、ネバーギブアップの精神で再興したお話でした。テーマに相応しいすばらしい講演でした。
追記:鰐淵社長は「勇気をもって崖っぷちに立ちなさい。彼は、遂に意を決して前に進み、絶壁の上に立ったギリシャの神アポリネールは軽く彼の肩を押した。すると彼は大空に羽ばたいていった」何かあるとこの言葉を思い出して、困難を飛躍のチャンスにされてきたとのこと。
(2007年5月21日発刊)NO.11
「コス島 アスクレピオス神殿」
 5月6日から14日まで「ギリシャの医跡を尋ねて」で、医聖ヒポクラテスの生誕の地(コス島)にいってまいりました。ヒポクラテスが活躍したのは、紀元前400年の昔ですから、2000年以上経っています。医神アスクレピオスを祭った神殿跡で、ヒポクラテスの誓いの儀式を観てきました。 古代ギリシャのアスクレピオス神殿は健康の神様ですが、その神殿に病院があり、そこでは、神官=医師が心のケア、治療は自然治癒力を引き出すこと、 1)笑いなさい 2)怒ってはだめ 3) 髪を洗う 4)浴場があって体を清める  5)キャベツを食べる 6)良い絵画をみる 7)良い彫刻などの芸術に触れる   8)神殿は景色の良いところにある などであることが碑文に書いてあるそうです。現代医学に抜けていることで、いかに環境整備が必要か、古代の病院から学んだことでした。
注:ギリシャ時代は薬用
(2007年5月1日発刊)NO.10
「笑いについて」
 笑いは、人間だけが先天的にもって生まれた宝ものです。「笑う角には福来る」神道の御祓いの語源は、『おわらい』が『御祓い』になったという説もあります。また、無財の七施に顔施があり、素敵な笑顔だけでお金はなくても人に施すことができます。笑顔は人に癒しを与え、また笑顔やユーモアが元気を与えてくれます。笑いやユーモアが血液の免疫細胞であるNK細胞を増やし、癌になりにくくするとの説もあります。日々「笑顔」で過したいと思います。
(2007年4月23日発刊)NO.9
「医療サービスに思う」
 医療はサービス業に分類されています。しかし、営利目的の企業とは大きく異なることがあります。 患者様の立場から言えば、医療サービスは希望して求めるのではなく、病気になり、嫌々サービス(治療)を求めるものだと思います。美味しいものを食べにレストランに行くときには、予算を立ててサービスに見合ったところを選ぶものです。 病院側からいうと、医療は公定価格であり、どこで医療サービス受けても治療内容によって値段は変動しません。したがって、病院の企業努力は、その中にあっても市民から選ばれる病院にしていくことしかありません。また、お金を支払うのは30%の自費部分で、あとは国民の税金・会社などになっています。個人も医療提供者も、貴重な財源を無駄に使ってはならないと思います。平均在院日数の短縮、在宅への流れも財源の有効利用に役立ちます。
(2007年4月16日発刊)NO.8
「発想の転換」
 Packman the clown コメディーライブ2007が4月29日(日)、当院パッチ・アダムスホールにて開催されます。 パックマンこと道化師の塚原成幸さんとの出会いは、阪神淡路大震災での塚原氏のボランティア活動を紹介した一冊の本「山の道化師PACKMANと笑っていこう」でした。塚原氏には2002年9月1日、映画にもなった「パッチ・アダムス」を招聘した時、ステージマネジャーをしていただきました。また、当院では塚原氏による「赤い鼻道化教室」を2002年11月から開催し、笑いやユーモアがどれだけ人を癒すか学んできました。人生、思い「どうり」にいかないのが当たり前、人生の悲劇を喜劇にかえる発想の転換が人生を豊かにしてくれるものと思います。コメディーライブへの参加お待ちしています。当院企画課に連絡ください。
(2007年4月9日発刊)NO.7
「プライバシーマーク取得に向けて」
 個人情報保護法が施行され、病院も法令を遵守することが当然となりました。病院では、患者さまの情報をカルテ(当院は電子カルテ)に保存しています。患者さまの情報が流出することがあってはなりません。
 この法令を遵守することの質を高めるために、プライバシーマーク(Pマーク)取得へ向け準備し、4月5日に審査(MEDIS 財団法人情報システム開発センター)を受けました。取得できれば、岡山県では早い時期での取得になると思いますが、常にPDCAを回していきたいと思っています。
※PDCA=P:PLAN(計画)・D:DO(実行)・C:CHECK(チェック)・A:ACTION(対策を講じる・改善)
(2007年4月2日発刊)NO.6
「2007年度スタート」
 春爛漫の「春」です。新卒の職員を今年も23名受け入れることとなりました。新しい希望に燃えての就職です。4月2日・3日には全職種を対象に研修があります。
私たちの仕事は医療サービスという、命に関わる大切な仕事です。院長はじめ全職員、新しい仲間とともに職業人として、人間として育ちあってまいりたいと思います。
(2007年3月26日発刊)NO.5
「黙々徹底」
 親父がなくなる前に、林秀一先生(旧制第6高等学校教授)からの書をもらいました。
世の中には誰もやりたくないが誰かが やらなければならないことが 沢山ある そうしたことを 黙ってとことんまで やり貫く人間になりたい。
日常の多忙の中で、基本的なことを忘れて、ふらふらしてはいけないと思います。
(2007年3月19日発刊)NO.4
「癒しの道程」
 病院は「癒し」の場でありますが、癒しには広さと深さがあり、病院は徹底的に広さと深さを求めていかなければならないと思います。讃岐では「遍路のお粥さん」といって、湯(言う)だけで、
お粥(中身がない)と言われますが、病院での癒しは、まさに「遍路のお粥」で、中身を少しでも多くしていきたいと思います。
 医療の確実さ、あいさつに始まる接遇、料理、インテリア、笑いやユーモア、おもてなしのこころなど全てが中身だと思います。病院での「癒しの場」を創っていくには、医療サービスの提供者と患者さまとの互いに思いやる心が大切だと思います。「人に癒されたことのない人は、人を癒すことができない」とは真理だと思います。

料理研究家 辰巳芳子先生の記念講演より
【2007年3月17日 第7回癒しの環境研究会全国大会(別府)開催】
(2007年3月12日発刊)NO.3
「日々の生活の中で実践すること
 『早寝、早起き、3度の食事、笑顔で、すぐやる、怒らない』これを実行できたら、健康で長生きできるのではないかと思います。少なくとも、生きている以上腹の立つことは多いのですが、怒らないで、できるだけ笑顔で過したいと思います。笑いは人間だけが持っている本能です。笑顔は言葉の要らない素晴らしいコミュニケーションの道具です。
 笑顔やユーモアには免疫力を高め、病気の予防効果や治療効果もあると思います。神道の御祓いの語源は「おわらい」との説もあります。人類が誕生以来、笑顔や笑いがどれだけ、人間社会の潤滑油になったか、はかり知れません。
(2007年3月5日発刊)NO.2
「題名のつかない伸縮自在の袋」
 すべての人間は、かけがえのない存在であると同時に、何らかの可能性を有した存在でもある。どんな才能であっても、磨かれなければ忘れ去られ、消え去るものである。そして、それは「題名のつかない伸縮自在の袋」といえる。幼児にあっては、才能がいずれにあるか判然とせず、「袋」はしぼんだまま。しかし、やがて、学び、挑戦するなかで、うっすらと題名が見え出し、本人がそのことに気づき、意識的な努力が始まった時、「袋」はふくらみを開始する。老境に達した時、その「袋」が精一杯大きくなっていると感じたなら、その時こそ、その人は人間らしく生きたと感じるのである。
 この「題名のつかない伸縮自在の袋」は、私の敬愛する中小企業家同友会会長 赤石義博氏が常に語っている言葉です。伸縮自在の袋に題名を付けるのは、一人一人です。私は共に働く職員の一人一人が、自分の題名のついた伸縮自在の袋を一杯にしてくれることを願っています。それが、地域に貢献できる病院の姿になっていくものと思います。
 <参考文献>「幸せの見える社会づくり」赤石義博著 中同協発行 / 出版社 鉱脈社
(2007年2月26日発刊)NO.1
無言館(戦没絵学生の美術館)との出会いが、人生を変えたソプラノ歌手
 2月3日(土)にNPO岡山市日中友好協会設立25周年記念総会が岡山プラザホテルであり、記念コンサートで、現在東京藝術大学音楽部声楽科4年に在学中の学生ソプラノ歌手、村上彩子さんが素晴らしい歌声を聴かせてくださいました。
 彼女は、広島県福山市神辺町出身で、会社員を6年間経験し、あるとき、長野県の無言館にある戦没絵学生が残した遺作に出会い、自分のやりたいことができなかった若者がいたことに心打たれ、彼女は再び自分の好きな歌の道に進み、ソプラの歌手としての夢に挑戦しています。
 私は、彼女の美しい歌声に魅了されたと同時に、人は何のために生きるかを考えさせられました。ぜひ、病院でのコンサートにお呼びしたいと思っています。
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