サイバーナイフM6
2018年3月、当院のサイバーナイフは、国内最新機種となるサイバーナイフM6へリニューアルしました。高い柔軟性と効率性を備え、新たな治療法を提案します。
特徴
サイバーナイフは、高精度なロボットを使用した放射線治療機器です。ミリ単位以下で正確に動くロボットアームにより、多方向から患部のみにエネルギーを集約することで、周りの正常な部分への影響を抑えながら治療することができます。
また、「病変追尾システム」が搭載されており、呼吸などの僅かな動きに対しても自動調整しながら、正確な治療をすることができます。頭蓋内病変、頭頸部病変であれば頭部を金属などで固定することなく、ユニフレームというプラスチックマスク装着を使用し、痛みをともなうことなく治療ができます。
照射方法について
球形の病巣に対してはSingle Center Planning
不整形腫瘍に対してはConformal Shape Planning
:Sequential Planning
切らずに治療できる
CTやMRI検査をおこない、病変を評価して治療計画を立てます。細いX線を患部へ向けて多方向から正確に照射することで周囲の正常な部分への照射を少なく抑えて、安全・確実な治療をおこないます。外科手術では困難な脳の深い部分や脳内の重要な機能をつかさどる部位の病変、また体幹部では早期の肺がん、肝細胞がんなども機能を温存して治療することができます。
身体への負担が軽い
1回の治療時間は20~30分で、多くの治療が1回から数回で完了します。通常、2泊~1週間程度の入院をして治療をおこないますが、担当医の判断によっては、外来で治療をおこなうこともあります。
サイバーナイフM6はここが違う!

ポイント①可変コリメータ(Iris)の採用
複数のコリメータを利用した治療が、治療中のコリメータ交換をおこなうことなくスムーズにおこえるようになりました。
ポイント②埋込型フラットパネルによるイメージガイド
フラットパネルが床面に埋め込まれたことで、装置の空間的自由度が増し、治療の自由度が広がりました。
ポイント③トラッキング技術(追尾・補正)のさらなる高精度化
頭蓋内、脊椎、呼吸性移動を伴う部位など、治療部位の特性に合せたさまざまなトラッキング法により、今まで以上に高精度な照射が可能となりました。
ポイント④線量率の上昇
治療時の線量率が400cMU/minから1000cMU/minに大幅に上がったことで治療時間短縮が可能になりました。
ポイント⑤寝台のロボット制御(RoboCouchi)
寝台がロボット制御になったことで、治療の効率化による患者さんの身体的負担の軽減が期待されます。
治療例
サイバーナイフによる治療で消失を認めた脳動脈奇形症例と、著明な腫瘍縮小効果を認めた下垂体線腫の症例。
治療対象疾患
頭蓋内病変 | |
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血管障害 | 脳動静脈奇形(AVM)など |
良性腫瘍 | 聴神経鞘腫 髄膜腫 下垂体腺腫 頭蓋咽頭腫 など |
悪性腫瘍 | 転移性脳腫瘍 神経膠腫 など |
頭蓋外病変 | 頭蓋骨・
頭蓋底の腫瘍 頸椎・ 頸髄の腫瘍 耳鼻科領域の腫瘍 口腔外科領域の腫瘍 など |
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体幹部(予定) | 原発性肺がん、転移性肺がん 原発性肝がん、転移性肝がん 前立腺がん、腎がん その他の体幹部腫瘍 など |